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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

Yahoo!知恵袋の削除方法とは?風評被害による影響も解説

風評被害対策

Yahoo!知恵袋における風評被害や対策法とは?

Yahoo!知恵袋は、ユーザ―同士が疑問に思っていることを質問したり、知っている事柄についての質問に回答することができるQ&Aサイトです。しかし、悪質な口コミも目立ち、誰でも投稿・閲覧が可能なため、風評被害を受けると被害が大きくなる可能性も高いのが特徴の一つです。この記事では、 Yahoo!知恵袋による風評被害や削除方法について解説していきます。 

Yahoo!知恵袋とは?

Yahoo!知恵袋は、Yahoo!Japanが運営するQ&Aサイトです。投稿される質問の内容はさまざまで、日常に関する疑問から企業の評判、政治問題まで幅広い内容の質問・回答が日々交わされています。Yahoo!JapanのIDを取得さえすれば、匿名ですぐに質問・回答することが可能です。

Yahoo!知恵袋はドメインパワーが非常に強く、企業名や商品名で検索するとそれに関連するYahoo!知恵袋の投稿が上位に表示されることも少なくありません。そのため、Yahoo!知恵袋に悪質な投稿がされると直接的な被害が生じやすいといわれています。

Yahoo!知恵袋にはどのような風評被害があるか

Yahoo!知恵袋にはどのような風評被害があるか

Yahoo!知恵袋は、匿名で利用でき閲覧者も多いため、誹謗中傷の投稿が数多く見受けられます。運営側としても、毎日大量の投稿がされるため、事前に内容をチェックできず、誹謗中傷に該当するような投稿も公開されてしまいます。まずは、具体的にどのような風評被害があるのか説明していきます。

情報源が定かでない回答

Yahoo!知恵袋は誰でも回答できるため、情報源が定かでない回答も多いのが実情です。具体的には、回答者の個人的な見解や、ネット上の不正確な情報を元にした回答などが例として挙げられます。ただ、このような情報源が定かでない回答でも質問者により「ベストアンサー」に選ばれることがあります。質問者は正確な情報を求めているというよりも、単に共感して欲しくて、相談や質問を投げかけるケースも多いためです。

でたらめの回答

Yahoo!知恵袋の回答には、何の根拠のないでたらめの回答もあります。いたずらや暇つぶしのほか、質問の対象に対して悪意を持った人からの嫌がらせを目的にした回答も存在します。ネガティブな内容の回答をして、質問者に悪い印象を植えつけようとするケースもあります。例えば、「ここの料理はまずい。行かない方が良い」「△△という商品は美肌効果を謳っているけど、全く効果がない」などです。

このような回答がされると、企業やお店としては利用者・購入者が減少し、売上が低下するおそれもあります。

自作自演の投稿

自分で質問して、それに対する回答を別のアカウントから投稿するという自作自演のパターンもあります。自社や自社の商品などの評判を上げたり、競合他社などがライバルの評判を落としたりするのが主な目的です。簡単に言えば、「やらせ」です。やってはいけない行為のひとつですが、投稿は匿名でなされる以上、なかなか発見しづらい事案といえます。

Yahoo!知恵袋の風評被害を放置するリスク

Yahoo!知恵袋は閲覧者数が非常に多いため、ネガティブな投稿によって風評被害の影響を受けてしまう可能性が高いです。このような風評被害を招いてしまう投稿をそのまま放置すると、様々なリスクが生まれてしまいます。

外部サイトへの拡散による風評被害の拡大

Yahoo!知恵袋は、誰でも他人の質問や回答を閲覧することができるため、特定の企業や個人に対するネガティブな質問や回答が投稿されると、それを閲覧した人によって、さらに外部のサイトに拡散されてしまう可能性があります。例えば、「○○会社はブラック企業で給料が少なく、残業代を支払わないと聞いたが本当ですか?」「はい、本当です。絶対に入社しない方がいいです」といった根拠のない噂話が投稿されると、それを見た人がその悪い噂を信じ込み、他のサイトにそれらの内容を投稿し、拡散することで、○○会社の風評被害が拡大してしまうことになります。

検索時に上位表示されやすい

 Yahoo!知恵袋は利用者が多く、サイトの閲覧数も膨大なため、キーワード検索したときに、知恵袋の回答が検索結果ページの上位に表示されることが多いです。そのため、例えば「○○会社」とキーワード検索しただけで、根拠のないネガティブな投稿が多くの人の目に晒され、イメージ低下につながる恐れがあります。

Yahoo!知恵袋の口コミが削除可能な基準

上述の通り、Yahoo!知恵袋では投稿の内容の事前チェックは行っていません。そのため、投稿を削除したい場合、こちらから削除請求する必要があります。Yahoo!知恵袋では削除専用の問い合わせフォームは用意されていないため、削除請求は、各投稿の下に用意されている「違反報告」というボタンから行う必要があります。削除してほしい口コミを選択し、右下にある「違反報告」のボタンを押してください。すると「違反項目」を入力する画面が出てくるので、該当する項目を選びましょう。

ただ、違反報告をしたからといって、報告した全ての投稿が削除されるわけではありません。削除請求が認められるには、Yahoo!知恵袋のガイドライン違反の投稿だと証明する必要があります。Yahoo!知恵袋では、以下のような投稿を禁止しています。

禁止事項1:過度な批判、誹謗(ひぼう)中傷など他⼈を攻撃したり、傷つける内容の投稿や、他⼈を不快にさせる内容の投稿

禁止事項2:わいせつや暴⼒的、過激な描写等を含む不愉快な内容の投稿

禁止事項3:法令違反行為や犯罪行為等の誘発や助長、予告を内容とする投稿

禁止事項4:商業⽬的や広告⽬的で利⽤すること

禁止事項5:個⼈を特定できる情報の投稿

禁止事項6:著作権など第三者の知的財産権を侵害すること

禁止事項7:サービス運営を妨害する⾏為

禁止事項8:質問、回答の投稿になっていないものや、なっていたとしても⽂意をなさない投稿

禁止事項9:なりすまし⾏為や⾃作⾃演

禁止事項10:勧誘や呼びかけ投稿の行為

禁止事項11:明らかな偽情報に関する投稿

禁止事項12:その他Yahoo! JAPANが不適切だと判断するもの

Yahoo!知恵袋利用のルール:禁止事項について

原則、他のユーザー間で行われた質問・回答の投稿を直接削除することはできません。ただし、利用規約違反だと思われる投稿に関しては、該当の本文右下にある違反報告アイコンをクリックし、運営に通報することができます。

なお、通報したとしても、削除の基準はあくまでもYahoo!知恵袋の運営側の手に委ねられており、確実に削除される保証はありません。また、個別に連絡が返ってくることもありません。例えば、「社会規範及び公序良俗に反する内容」にあたる投稿であることを理由に削除を請求しても、運営側がその主張を認め削除に応じてくれるとは限りません。

Yahoo!知恵袋の質問に対する弁護士が行う削除方法

自分でYahoo!知恵袋の投稿を削除するのが難しければ、弁護士の手を借り、法的手段によって対応することをお勧めします。送信防止措置請求を行う、裁判所を用いた仮処分申立の手続きをとる、等の方法で削除ができる可能性があります。

送信防止措置請求による削除

裁判外で削除請求をする方法の一つに、運営会社に対するプロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置請求による削除請求が挙げられます。Yahoo!知恵袋の場合は、Yahoo! JAPANに対して送信防止措置依頼書を郵送することになります。

関連記事:プロバイダ責任制限法と送信防止措置請求を解説

仮処分申立による削除

裁判で審理をする場合、通常の訴訟だと1年以上かかってしまうこともあります。こういった風評に関する投稿は、早期に削除しないと他のサイトなどに投稿が拡散されてしまい、風評被害が拡大する恐れもあります。

そこで、短期間で事態を解決に導くために有効とされるのが、仮処分申立という裁判手続きです。仮処分とは、裁判の前に、裁判で勝訴したのと同様の状態を実現できる手続きのことで、訴訟と比べると迅速に結果(削除命令等)が出ます。仮処分が認められると、裁判所からYahoo! JAPANに対して、削除対象の投稿について削除命令が言い渡されるため、1~3ヶ月と早期に解決できる可能性が高いです。 

ただ、仮処分が認められるためには、裁判を起こす時と同様に、裁判所に対して法的な主張を行わなければなりません。そのため、仮処分申立も弁護士に依頼する方がよいでしょう。

関連記事:誹謗中傷対策において重要な「削除仮処分」とは

まとめ:Yahoo!知恵袋の質問を削除するには弁護士に相談をしましょう

ここでは、Yahoo!知恵袋の悪質な投稿を削除する方法を解説しました。Yahoo!知恵袋は利用者が多く、匿名で投稿が可能なため、誹謗中傷がなされるケースは非常に高く、ネガティブな投稿によって風評被害につながり、イメージ低下など悪影響を及ぼす可能性が高いです。しかし、サイトに直接削除を請求しても削除してもらえる可能性は低いのが現状です。

その場合は、法的手続により削除できる可能性があります。法的手続を個人で進めるのは難しいため、その場合は弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面で豊富な経験を有する法律事務所です。近年、ネット上に拡散された風評被害や誹謗中傷に関する情報は「デジタルタトゥー」として深刻な被害をもたらしています。当事務所では「デジタルタトゥー」対策を行うソリューション提供を行っております。下記記事にて詳細を記載しております。

モノリス法律事務所の取扱分野:デジタルタトゥー

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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