風評被害対策

LINEにおける脅迫・自殺教唆などの犯罪

風評被害対策

LINEにおける脅迫・自殺教唆などの犯罪

LINEは韓国NHN株式会社(現:ネイバー株式会社)傘下の日本法人NHN Japan株式会社(現:LINE株式会社)が開発したアプリケーションソフトです。 NHN創業者の李海珍(イ・ヘジン)氏が、東日本大震災の時、被災者が家族や親戚と連絡を取ろうとして右往左往する映像を見て発案したとされています。

LINEの特徴

LINEは利用者が相互にアプリをインストールしておけば、通信キャリアや端末を問わずに複数人のグループ通話を含む、チャット機能や音声・ビデオ通信が可能です。通話サービスは通常の音声電話と異なりパケット通信を利用するインターネット電話なので、通話料金を課金されることなく無制限に通話が可能となります。

そのため無料提供されているアプリケーションは「無料通話」などと宣伝されており、この「無料」という宣伝文句が、LINE人気を加速させたと言えるでしょう。

LINEは、インスタントメッセンジャーIDとして、電話番号もしくはFacebookアカウントを利用しており、新規登録・ログイン時にSMS認証で電話番号が確認されます。本アプリケーションは利用開始時に端末電話帳を読み込み、LINEを利用している電話帳登録済みの人々と意思疎通することができる、つまり電話帳連動なので、導入、使用開始が簡単です。

他のSNSと異なる点

LINEはFacebookやTwitter等の他のSNSと異なる特徴を持ちますが、その中の⼀つはメッセージが公開されない点でしょう。FacebookやTwitterはアカウントに鍵をかけていない限り、やり取りの内容はもちろんその時刻や交信相⼿等まで当事者でない⼈も閲覧することができます。しかしLINEならメッセージの受信者しか内容を⾒ることはできません。さらに設定次第では複数⼈での会話が可能で、連絡ツールとしての利便性が⾼いと⾔えます。

利用開始に当たり電話番号登録だけの単純さと、1対1のクローズドな空間でのコミュニケーション等が、FacebookのようなオープンSNSに馴染めないユーザーを捉え、これが利用者急増の大きな要因とされています。その結果、スマートフォンを持っている⼈のほとんどが使っていると⾔っても過⾔ではないほどに各年齢層に浸透し、「⽣活インフラとして定着した」とまで言われるようになりました。

国内月間アクティブユーザー数8000万人以上、月間アクティブ率86%(2019年12⽉期第1四半期 決算説明会)だそうで、アクティブ率が非常に高いという特徴を持つSNSです。

LINE独自の機能

LINEでのトークは、もはや便利な連絡手段の1つです。

LINEのトークでは互いのメッセージが吹き出しで表⽰され、時系列に連なっていきます。極めてシンプルなスタイルですが、これによって過去に遡って話の内容を確認することもできます。更に「グループ」を設定すれば複数⼈でメッセージのやり取りが可能になります。この、吹き出しの便利さ、見た目の楽しさも、LINE人気の原因の一つでしょう。

LINE利⽤の醍醐味ともいえるスタンプ機能も、LINE⼈気に⼤きく寄与したと⾔えるでしょう。これまでにも絵⽂字はありましたが、あくまでも⽂章の補助的な役割を果たすに過ぎず、文章の後に笑顔のマークやバンザイをしている絵⽂字を付ける程度でした。しかしLINEのスタンプは、オリジナルのものからユーザーが作ったクリエイタースタンプまで⾮常に豊富な種類があり、いろいろな感情を⾃在に表現できます。スタンプ機能はコミュニケーションを円滑に、かつ楽しくさせ、LINEを大人の楽しいおもちゃとしました。

LINEの問題点

LINEには「1つのスマホで1つのアカウントしか持てない」というルールがあります。そこで、LINEを仕事の連絡用に使うと、連絡手段、情報共有ツールとして便利なのですが、その便利さが仇となってトラブルを誘発してしまうこともあります。

私用のスマホを会社の連絡用に使っている場合、プライベートな友人と会話するLINEと会社の業務連絡用に使うLINEを分けられなくなり、業務連絡とプライベートな交信が一緒になってしまい、時間に関係なく上司や同僚などの会社関係の連絡に対応しなければならなくなります。

またLINEを業務連絡用に使っていないケースでも、上司や同僚にアカウントを発見されて「友だち申請」が来たら、断ることは難しいでしょう。
そして、会社の上司や同僚がLINEの友達登録をした上で、業務時間の内外を問わずさまざまな連絡をしてきて、「〇〇さん、無視してる?」「既読スルー?」などと返事を強要するという、LINE強要問題が発生し、パワハラが生じることになります。

LINEとパワハラ

厚生労働省は、2012年3月に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」を行い、パワハラの類型をまとめました。

  1. 暴行、 傷害
  2. 脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言
  3. 隔離、仲間外し、無視
  4. 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
  5. 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
  6. 私的なことに過度に立ち入ること

LINEは便利なコミュニケーションツールですが、便利さゆえに、こうしたパワハラの温床になる可能性があり、2にあげられた「脅迫、名誉毀損、侮辱、ひどい暴言」に悩まされることもあります。

そういうことになってしまう原因としては、まず、チャットという手軽さがあげられます。チャットは、メール形式よりもメッセージを送るハードルが低く、コミュニケーションツールとしては優れた点といえますが、上司が部下に送った場合、気軽に送ったとしても部下からすればやはり、「上司からのメッセージ」です。部下に送る場合は、6にあげられた「私的なことに過度に立ち入ること」にも注意したいものです。

また、既読機能も、メッセージアプリとしてはメッセージのやり取りを促進する優れた機能なのですが、やはり職場の上下関係を背景にすると、部下へのプレッシャーとして機能します。部下にとっては上司のメッセージを既読にしてしまうと、すぐに何か返信しなくてはならないというプレッシャーになります。中⾼校⽣の間では、既読したらすぐに返信しなくてはいけないという暗黙のルールがあり、それを守らないことでいじめに発展する問題が頻発しているのですが、上司と部下の間でこれが行われたら、完全にパワハラです。

LINEで逮捕された例

LINEユーザーが増え、脅迫メッセージが送信されるケースも。

このように日常生活に浸透し、他のSNSのように日記を書く、読むというような使い方ではなく、連絡手段の一つになってしまったLINEなので、いろいろな犯罪に、特に脅迫に使われるようになっています。

LINEで交際相手の母親を脅迫

神奈川県警は、逗子ストーカー事件で事前に相談を受けながら事件発生を防げなかったことを教訓に、2013年7月12日に「人心安全プロジェクト」を発足させ(その後、県警人身安全対策課に発展)、翌13日に初摘発を行いました。 この日脅迫の疑いで逮捕されたのは、LINEで交際相手の高校2年の女子生徒(16)の母親(42)を脅した無職の容疑者(30)で、「徹底的に追い込みますから」「世の中物騒だからね。窓割って家に入られたりするからね。気を付けてください」などと脅すLINEメッセージを、母親に19回送った疑いです。県警によると容疑者は、女子生徒との交際をやめさせようとした女性の母親に腹を立てたということです。

元交際相手にLINEで「死ね」

女性に「死ね」「ボコボコにするから気をつけな」などとメッセージを送ったとして、千葉県警成田署は2014年5月に、脅迫の疑いで会社員(21)を逮捕しました。逮捕容疑は同年4月12,15,23日の3回、県内に住む20代の元交際相手の女性にLINEで脅迫メッセージを送ったというものです。同署によると、この会社員と女性は約1カ月間交際し、前年10月に別れていました。

新聞では実名報道だったので、この容疑者の名前と地名「〇〇〇〇 成田」で検索すると、新聞記事を見ることができますし、2ちゃんねるに容疑者名でスレッドが残っています。

被害者は半年も前にたった1か月付き合っただけで別れた男に脅迫され、生きた心地はしなかったかもしれませんが、加害者も3回メッセージを送ったことで、消すことが困難なデジタルタトゥーを刻みつけてしまったことになります。

大学生を自殺教唆の疑いで逮捕

2014年2月、LINEで「お願いだから死んでくれ」等のメッセージを送り、自殺をそそのかした疑いで、大学生(21)が逮捕されました。自殺したのは交際していた同じ大学の女子学生(21)で、当時大騒ぎになりました。

2人は1年以上交際していましたが、事件前日に女性から別れ話を切り出したということです。自殺直前の18時44分から47分頃にかけて、容疑者は「お願いだから死んで」「飛び降りてくれ」「〇〇ちゃん生きてる価値ないよ!」「手首切るより8階から飛び降りれば死ねるじゃん」「なんで早く飛び降りないの?」などと7回にわたって、立て続けにメッセージを送信し、翌日未明、女性は、自宅マンション8階から飛び降り自殺しました。

なお、この事件では東京地検は身柄拘留を求めましたが、東京地方裁判所は「逃亡の恐れがない」として請求を却下し、容疑者は釈放され、その後処分保留とされました。

複雑な背景や事情があった事件なのですが、実名報道でしたし、在学中の大学名も報道されました。現在も男子学生の名前や、「〇〇大学 自殺教唆」等で検索すると、当時の新聞記事を見ることができますし、男子大学生の画像も見ることができます。この事件も、2ちゃんねるにスレッドが残っています。

脅迫罪で逮捕されたら

LINEで送ったメッセージがきっかけとなり逮捕されてしまったら、早急に被害者に対し謝罪の気持ちを伝えて被害の弁償をするとして、示談を持ちかけるべきです。

示談というのは当事者間の合意で紛争を解決することを言い、刑事事件では示談ですべてが解決するわけではありませんが、それでも示談を成立させることには大きな意味があります。逮捕後の身柄拘束から解放されますし、起訴を避けることも期待できます。また、起訴されてしまっても、減刑や執行猶予つき判決を得ることが期待できます。そうすれば、後になって記事の削除を求めるときにも、削除してもらいやすくなります。

LINEのチャットは、メール形式よりもメッセージを送るハードルが低いので、くれぐれも、用心したいものです。つい、気軽に連続投稿してしまう傾向が顕著なのですが、吹き出しが連続するので、送りつけられた側からすると、より恐ろしさが増します。

調子に乗って誹謗中傷を連投し、脅迫とされるようなメッセージを送ってしまい、相手にいつまでも残る心の傷を負わせたら取り返しがつきません。

モノリス法律事務所は、NHKドラマ「デジタル・タトゥー」の原案を務める代表弁護士の下、企業・個人の風評被害対策を多数手がけております。

Phone: 03-6262-3245 (平日10時-17時)

Email: kawase@monolith-law.jp

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