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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

NAVERまとめにおけるネガティブな記事の削除方法とは

風評被害対策

NAVERまとめにおけるネガティブな記事の削除方法とは

NAVERまとめとは、インターネット上のあらゆる情報を、自由に組み合わせ、一つのページにまとめて保存・紹介できるサービスです。NAVERアカウントを作成すれば、画像やリンク、ツイートなどを自由に組み合わせて記事を作成することができます。NAVERまとめには、おすすめのドラマやレシピといった参考になる記事もたくさんあるのですが、中には「○○株式会社の社長、逮捕歴があるらしい」「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」といったネガティブな記事が投稿される場合もありえます。

そういった場合に、GoogleやYahooなどの検索エンジンや、NAVERまとめのサイト内で会社名やレストラン名を検索したユーザーがネガティブな記事を目にする危険性があります。 NAVERまとめにこのようなネガティブな記事が投稿されている場合、記事を削除してもらうなどの対応は可能なのでしょうか。また、弁護士へ相談した方がよいのはどのようなケースでしょうか。

NAVERまとめとは

NAVERまとめとは、LINE株式会社が運営しているキュレーションサービスです。投稿者は、インターネット上のさまざまな情報を集めて組み合わせることにより、まとめ記事を作成し、投稿できます。ユーザーは、NAVERまとめ内で検索することにより、興味のある記事を見ることができます。そのため、NAVERまとめにネガティブな記事が投稿されてしまうと、Googleなどの検索エンジンやNAVERまとめで会社やお店の名前を検索したユーザーが、それらの記事を見て、その会社との取引を控えたり、レストランへ行くのをためらったりするおそれがあります。

NAVERまとめに投稿されるネガティブな記事とは

NAVERまとめでは、テーマごとに情報を集めたページが作成されているが、誹謗中傷を含む内容のものもあります。

NAVERまとめで会社名やレストラン名を検索すると、当該会社やレストランなどについてのまとめ記事を読むことができます。それらの記事の中には、誹謗中傷にあたるようなネガティブな記事が投稿されている場合がありえます。NAVERまとめに投稿されるネガティブな記事には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に、考えられるネガティブな記事の例を挙げます。

「○○株式会社の社長、逮捕歴があるらしい」という内容の記事

「○○株式会社の社長、逮捕歴があるらしい」といった内容の記事が投稿された場合です。実際は逮捕歴がないにもかかわらず、似た名前や年齢の逮捕者がいて、混同されてしまっている可能性もあります。そのような場合でも、「逮捕歴がある」などと投稿されてしまうと、その会社の評判やイメージに悪影響をもたらす可能性があります。

「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」という内容の記事

レストランのまとめ記事に、「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」という内容が投稿された場合です。このような記事も、真実であれば、行くレストランを検討しているユーザーにとって役に立つ情報であるといえます。ただ、そのレストランでパセリやミントなどを使いまわしている事実はないにもかかわらず、投稿者の勘違いなどにより、そういった投稿がなされてしまう可能性もあります。このような場合でも、「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」などと投稿されてしまうと、当該レストランは、その記事により来客者数が減ってしまうなどの損害を被る可能性があります。

その他、根も葉もない誹謗中傷投稿や風評被害投稿など

NAVERまとめには、会社や個人、その他サービスなどに関する誹謗中傷記事や風評被害記事の投稿が行われる可能性もあります。このような記事は、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)などの匿名掲示板の誹謗中傷書き込みや風評被害書き込みと同様に削除されるべきでしょう。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の書き込みの削除依頼の方法については、下記記事にて詳細に解説しています。

NAVER利用規約違反で削除請求する方法

NAVERの利用規約違反に繋がる記事への対処法とは?

NAVER利用規約に違反していると思われる記事がある場合には、お問い合わせフォームから問い合わせをすることができます。
以下のお問い合わせフォームの「対象サービス」欄で「まとめ」を選択します。

お問い合わせフォーム画面より

「まとめ」を選択すると、以下の画面があらわれます。

お問合せフォーム画面進むとこちらの画面になります。

さらに、「種類」欄で「権利侵害申告」を選択すると以下の画面があらわれ、権利侵害の種類を「肖像権、著作権、プライバシー権、パブリシティ権、誹謗中傷、その他法令または判例で認められた権利」の中から選び、困っている内容や希望する対応を記載して送信することができます。

NAVER利用規約によれば、利用者は、以下に記載することを行ってはならず、また、以下の記載事項を行わないことを保証するものとされています。

<NAVER利用規約第3条(禁止事項)抜粋>
(1)法令、裁判所の判決、決定もしくは命令、または法令上拘束力のある行政措置に違反する行為。
(2)公の秩序または善良の風俗を害するおそれのある行為(過度に暴力的な表現、露骨な性的表現、その他反社会的な内容を含み他人に不快感を与える表現を投稿、掲載、公開、送信する行為などを含みます。)。
(3)当社または第三者の権利(著作権、商標権、特許権等の知的財産権、名誉権、プライバシー権、その他法令上または契約上の権利を広く含みます。)を侵害する行為。
(4)当社または第三者になりすます行為または意図的に虚偽の情報を流布させる行為。
(5)当社の事前の同意を得ずに営利を目的として本サービスを利用する行為、異性との出会い、交際等を希望することが主な目的と認められる行為、その他本サービスが予定している利用目的と異なる目的で本サービスを利用する行為。
(6)反社会的勢力に対する利益供与その他の協力行為。
(7)宗教活動または宗教団体への勧誘行為。
(8)許諾なく第三者の個人情報、登録情報、利用履歴情報などを収集、開示または提供する行為。
(9)当社による本サービスの運営または他の利用者による本サービスの利用を妨害し、これらに支障を与える行為。
(10)上記(1)から(9)のいずれかに該当する行為を援助または助長する行為。
(11)その他、当社が不適当と判断した行為。


参考URL:https://help.naver.jp/rules/

上記の例の「○○株式会社の社長、逮捕歴があるらしい」といった内容の記事は、NAVER利用規約第3条(3)に該当するものと考えられます。お問い合わせフォームの権利侵害の種類でいえば、「プライバシー権」または「誹謗中傷」を選択し、希望する対応を「削除」として報告することができるものと思われます。

違法を理由として削除請求する場合の例

NAVER利用規約第3条(3)の「当社または第三者の権利(著作権、商標権、特許権等の知的財産権、名誉権、プライバシー権、その他法令上または契約上の権利を広く含みます。)を侵害する行為。」については、名誉毀損(名誉権の侵害)を検討する必要があります。名誉毀損の要件とは、どのようなものなのでしょうか。名誉毀損の要件は、以下の3つです。

  • 公然と
  • 事実を摘示し
  • 人の名誉を毀損する

上記のように、「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」という内容の記事を投稿されてしまった場合であれば、「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」といった書き方は、具体的な意味内容であり、一度客へ提供した食品を使いまわして、別の客に提供するという行為は法律上一定の規制を受けるものであり、そうした行為を行っているレストランだと思われることは当該レストランにとって不利益であるところ当該レストランは一度客へ提供した食品を使いまわして、別の客に提供するような行為は行っていない という主張をすることになります。ただし、たとえ名誉毀損の要件を満たしたとしても、以下の条件を満たしている場合は、名誉毀損は成立しませんのでご注意ください。

  • 公共性がある
  • 公益性がある
  • 真実である又は真実相当性が認められる

上記の例に限らず、その他の誹謗中傷記事や風評被害記事も、名誉毀損に該当するかどうかについて検討する必要があります。ただ、こういった主張や法的な議論に基づく削除交渉は、法律に詳しくないと難しい場合もあるかもしれません。豊富な知識を持つ弁護士へ相談することにより、スムーズに削除できるケースもあります。名誉毀損の成立要件については、下記記事にて詳細に解説しています。

仮処分による削除

NAVERまとめの記事は、仮処分という手続によっても削除することが可能です。

お問い合わせフォームから連絡しても記事が削除されなかった場合は、裁判所を通じて削除を請求することになります。NAVERまとめの記事は、訴訟手続ではなく、仮処分という手続によっても削除することができます。訴訟は、早く進んでも3-12ヶ月程度はかかることが多く、場合によっては年単位になってしまうこともあります。一方、仮処分は、風評被害に詳しい弁護士へ相談すれば、依頼から削除まで2-3ヶ月ほどでできる場合が多いようです。仮処分の流れは、以下の通りです。

  1. 仮処分の申立て
  2. 審尋(口頭弁論のような手続)
  3. 担保金の納付
  4. 仮処分命令の発令
  5. 執行

仮処分の場合、法的な主張だけでなく、その主張を証拠立てるための証拠も必要になります。例えば、上記の「レストラン□□、パセリやミントを使いまわしているらしい」といった記事を投稿されたケースであれば、

  • 当該レストランのマニュアル
  • 一度提供した食品は廃棄していることを示すメモなどの書面

などを証拠として提出し、「当該レストランは、一度提供した食品を再度別の客へ提供するといった行為は行っていない」といった主張を行います。ただ、こうした主張やその立証は、弁護士へ依頼せずに単独で行うのはなかなか難しいものと思われます。削除仮処分については、下記記事にて詳細に解説しています。

仮処分による投稿者の特定

根も葉もない誹謗中傷記事や風評被害記事が、長期にわたり多数投稿されている場合は、弁護士に依頼して、発信者情報開示請求を行うことができます。発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法第4条1項に基づく手続です。この手続は、誹謗中傷記事や風評被害記事の投稿者のIPアドレス、氏名、住所などの情報の開示を請求する手続です。NAVERまとめには、上述の通り、誹謗中傷記事の投稿を防ぐために利用規約が定められていますが、ある会社やレストランその他のサービスに遺恨のある人物が根拠のないデマや誹謗中傷記事を投稿している場合もあるかもしれません。そのような場合には、投稿者のIPアドレスなどがわかれば、投稿者を特定できる可能性があります。発信者特定の手続は、以下の通りです。

  1. コンテンツ・サービス・プロバイダへ情報開示請求
  2. 発信者情報開示の仮処分申請
  3. 経由プロバイダを特定
  4. 経由プロバイダへ発信者情報消去禁止の仮処分申請
  5. 発信者情報開示請求の訴訟
  6. 裁判所の判決に基づき、発信者を特定

上記の手続を経て、投稿者が判明した場合は、投稿者に対して、投稿者の特定に要した弁護士費用や慰謝料を損害賠償請求することができます。発信者情報開示請求については、下記記事にて詳細に解説しています。

まとめ

NAVERまとめは、ネット上の情報をまとめた記事が多数投稿されており、手軽に情報を集めることのできるサイトですが、中には、誤解や悪意などによる誹謗中傷記事や風評被害記事が投稿されてしまう可能性もあります。そのような悪質な投稿に対しては、お問い合わせフォームにから問い合わせをすることができます。フォームから問い合わせをしても、削除等の対応がなされない場合には、裁判所を通じての削除請求や投稿者特定手続をした方がよい場合もあります。名誉毀損などの法的な主張は、弁護士へ依頼することにより、円滑にできる場合も多くあります。NAVERまとめに投稿された誹謗中傷記事や風評被害記事でお悩みの場合は、豊富な知見を持つ弁護士に相談することによりうまくいく場合が多いでしょう。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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