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風評被害対策

楽天市場の悪質なレビューを削除する方法

風評被害対策

楽天市場の悪質なレビューを削除する方法

楽天市場とは、インターネット通販サイトです。楽天市場では、食品や家電などたくさんの商品が販売されています。楽天市場には、みんなのレビュー・口コミという機能があり、商品に関するレビューを書き込んだり、チェックしたりすることができます。それらのレビューの中には、「店長A(実名)と返品の件でやりとりしてたけど、失礼でほんとむかついた」「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」といったネガティブなレビューが書き込まれている場合もありえます。そのような場合には、Googleなどの検索エンジンや楽天市場で商品を探しているユーザーが、これらのネガティブなレビューを目にするリスクがあります。楽天市場にネガティブなレビューが書き込まれている場合、このようなレビューの削除を依頼するなどの対応はできるのでしょうか。また、弁護士へ相談した方がよいのはどのようなケースでしょうか。

楽天市場とは

楽天市場では、食品や家電などさまざまな分野の商品が販売されており、ユーザーはネット上でそれらを購入することができます。楽天市場には、レビュー・口コミを投稿できる機能もあるので、ユーザーはそれらのレビューを見て購入する商品を決めることができます。そのため、楽天市場にネガティブなレビューが投稿されていると、Googleなどの検索エンジンや楽天市場で購入する商品を探しているユーザーが、それらのレビューを見てその商品を買うのをやめてしまうかもしれないというリスクがあります。

楽天市場に投稿されるネガティブなレビューとは

楽天市場では、商品購入者からのレビューを確認することが出来ますが、ネガティブなレビューも投稿されてしまうケースがあります。

楽天市場で商品を検索すると、その商品の写真や基本情報に加えて、レビューを見ることができます。それらのレビューの中には、ネガティブなレビューもあります。楽天市場の商品に書き込まれるネガティブなレビューには、どのようなものがあるのでしょうか。以下に、考えられるネガティブなレビューの例を記載します。

実名で店長を批判しているレビュー

「店長A(実名)と返品の件でやりとりしてたけど、失礼でほんとむかついた」というレビューが投稿されている場合です。そのネットショップの店長とユーザーの間でのやりとりに行き違いがあり、そのようなネガティブなレビューが投稿されてしまった可能性があります。このようなネガティブなレビューが掲載された場合、そのネットショップは、そのレビューにより売り上げが減少するなどの悪影響を受けるおそれがあります。

注文商品の間違いでショップを批判しているレビュー

「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」というレビューが書き込まれている場合です。注文した商品と違う商品を発送し、返品対応をしなかったとすれば問題ですが、ユーザーが間違えて注文したことを認識しておらず、ショップ側には落ち度がなかった可能性もあります。こういった場合に、「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」というレビューを書き込まれてしまうと、そのネットショップは、注文者数が減り、売り上げが減ってしまうといった損害を被るおそれがあります。

その他、根も葉もない誹謗中傷や風評被害投稿など

楽天市場のレビューには、ネットショップや商品に関する口コミ・レビューの範疇を超えて、特定のネットショップや商品に対する誹謗中傷や風評被害にあたるようなレビューが投稿される可能性もあります。こうした悪質なレビューは、5ちゃんねるなどの匿名掲示板の誹謗中傷書き込みや風評被害書き込みと同じく削除されるべきでしょう。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の書き込みの削除依頼の方法については、下記記事にて詳細に解説しています。

「みんなのレビュー」利用規約・投稿ガイドライン違反で削除請求する方法

楽天市場の「みんなのレビュー」利用規約及び投稿ガイドライン違反であると思われる投稿があった場合には、レビュー右下の「不適切なレビューを報告する」をクリックして報告することができます。

不適切なレビュー報告ボタン画面 より

レビュー右下の「不適切なレビューを報告する」をクリックして楽天市場にログインすると、以下の画面が現れて、楽天へ不適切なレビューを報告することができるのです。

不適切なレビュー報告画面より

上記画面の注意書きによると、以下のようなレビューが報告された場合、レビューの投稿者や利用者に事前の告知なく削除などの措置をとる場合があるとのことです。

  • 他者を誹謗中傷する内容
  • 同一人物が悪意を持って行う同じ内容の複数書き込み
  • 営利宣伝目的の内容
  • 法律や公序良俗に反する内容
  • 個人情報や他者の権利やプライバシーを侵害する内容
  • その他、楽天が不適切と判断する内容

楽天市場の「みんなのレビュー」利用規約第5条(禁止行為)により禁止されている行為は、以下の通りです。

(1)下記に規定する内容を含むレビューを投稿すること
・当社、サービス提供者または第三者を誹謗中傷する内容
・犯罪行為に結びつく、もしくは助長する内容
・法令に反する内容
・営利宣伝目的を含む内容
・特定の政治的または宗教的主張を含む内容
・根拠なくサービス提供者の評判を毀損しまたは信用不安を引き起こすおそれのある内容
・当社、サービス提供者または第三者の著作権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害しまたはそのおそれのある内容
・差別的表現を含む内容
・低俗、有害、下品その他他人に嫌悪感を与える内容
・上記の他、公序良俗に反する内容
・その他当社が不適切と判断する内容(後略)

「みんなのレビュー」利用規約第5条(抜粋)

みんなのレビュー」利用規約第5条第2項により、楽天株式会社は、上記に違反したレビューの削除などの措置を取ることができるものとされています。

また、投稿ガイドラインによると、他人を誹謗中傷するような投稿や個人を特定できる情報の投稿は禁止されています。

投稿ガイドラインより一部抜粋

上記の例の「店長A(実名)と返品の件でやりとりしてたけど、失礼でほんとむかついた」というレビューは、「みんなのレビュー」利用規約第5条第1項(1)の 「(前略)当社、サービス提供者または第三者の著作権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害しまたはそのおそれのある内容(後略)」及び投稿ガイドライン1の「個人を特定できる情報の投稿」にあたるとして、報告できるものと思われます。

違法を理由として削除請求する場合の例

違法として削除請求する場合は名誉毀損に該当するか否かを検討します。

「みんなのレビュー」利用規約第5条第1項(1)の「(前略)当社、サービス提供者または第三者の著作権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害しまたはそのおそれのある内容(後略)」については、名誉毀損(名誉権の侵害)を検討する必要があります。名誉毀損の成立要件は、以下の三つです。

  • 公然と
  • 事実を摘示し
  • 人の名誉を毀損する

上記の例のように、「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」というレビューが書き込まれている場合であれば、

  1. 「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」という記載は、具体的な意味内容であり、
  2. 注文と違う商品を発送して、返品を希望されても対応しないという行為は法律上一定の規制を受けるものであり、そうした行為を行っているネットショップであると思われることは当該ショップにとって不利益であるところ
  3. 当該ショップは誤って注文と異なる商品を届けてしまった場合は、返品対応を行っている

という主張をすることになります。ただし、名誉毀損の三つの要件を満たしていても、以下の条件を満たしている場合は、名誉毀損は成立しませんので、ご注意ください。

  • 公共性がある
  • 公益性がある
  • 真実である又は真実相当性が認められる

上記の例にとどまらず、その他の誹謗中傷レビューや風評被害レビューも同様に、名誉毀損に該当するか否かについて検討する必要があります。ただし、こうした法的な主張や議論に基づく削除交渉は、法律に詳しくないと難しいかもしれません。豊富な専門知識を持つ弁護士へ相談すれば、スムーズに削除できる可能性が高いです。名誉毀損の成立要件については、下記記事にて詳細に解説しています。

仮処分による削除

レビューの削除に対応してもらえなかった場合は仮処分手続きを依頼しましょう。

楽天市場の不適切なレビュー報告フォームから楽天へ報告しても、レビューが削除されなかった場合は、裁判所を通じて削除を請求することもできます。楽天市場のレビューは、訴訟手続だけでなく、仮処分という手続によっても削除することが可能です。訴訟は、スムーズに進行しても3-12ヶ月程度はかかってしまうことが多く、1年以上にわたる場合もあります。一方、仮処分は、風評被害に強い弁護士へ依頼すれば、依頼から削除まで2-3ヶ月ほどで終わることが多く、スピーディーです。仮処分の流れは、以下の通りです。

  • 仮処分の申立て
  • 審尋
  • 担保金の納付
  • 仮処分命令の発令
  • 執行

仮処分の場合、法的な主張だけでなく、その主張を立証するための証拠も提出する必要があります。例えば、上記のように、「注文したものと全く違う商品が届き、返品対応もしてくれなかった」というレビューが投稿された場合であれば、

  • 当該注文の記録
  • 返品・交換対応に関するマニュアル

などを証拠として提出し、「当該ネットショップは、注文された商品を適切に発送しており、万が一異なる商品を発送してしまった場合は返品や交換といった対応を行っている」という主張を行うことになります。ただし、このような主張やその立証は、弁護士へ依頼せずに単独で行うのは難しいかもしれません。削除仮処分については、下記記事にて詳細に解説しています。

仮処分による投稿者の特定

根拠のない誹謗中傷や風評被害にあたるようなレビューが、長年にわたって多数投稿されている場合は、弁護士に依頼して、発信者情報開示請求という手続を取ることができます。発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法第4条1項に規定されている手続です。この手続により、誹謗中傷レビューや風評被害レビューを投稿している人のIPアドレス、氏名、住所などの情報の開示を請求することができます。楽天市場には、特定のネットショップやスタッフ、商品に悪い感情を持つ人物が、根拠のないデマや誹謗中傷にあたるようなレビューを投稿している可能性もあります。その際、投稿者のIPアドレスなどの情報がわかれば、投稿者を特定できる場合があります。発信者特定の手続は以下の通りです。

  • コンテンツ・サービス・プロバイダへ情報開示請求
  • 発信者情報開示の仮処分申請
  • 経由プロバイダを特定
  • 経由プロバイダへ発信者情報消去禁止の仮処分申請
  • 発信者情報開示請求の訴訟
  • 裁判所の判決に基づき、発信者を特定

上記の手続を経て、投稿者を特定することができた場合は、投稿者の特定にかかった弁護士費用や慰謝料を投稿者に対して損害賠償請求することができます。発信者情報開示請求については、下記記事にて詳細に解説しています。

まとめ

楽天市場は、さまざまなジャンルの商品を買うことができる便利な通販サイトです。商品やネットショップのレビュー・口コミも投稿できるため、ユーザーはリアルな情報をもとに購入する商品を検討できるのですが、誤解や悪意などに基づく誹謗中傷レビューや風評被害レビューを投稿されてしまう可能性もあります。「みんなのレビュー」利用規約や投稿ガイドラインに違反すると思われるレビューに関しては、不適切なレビューとして報告をすることができますが、報告してもレビューが削除されない場合は、裁判所を通じて削除請求や投稿者特定手続をした方がよいと思われる場合もあります。名誉毀損などの法的な主張は、弁護士へ依頼せずに単独で行うのは難しいかもしれません。楽天市場における誹謗中傷レビューや風評被害レビューにお悩みの場合は、豊富な専門知識を持つ弁護士に相談することが大切です。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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