インタビュー

リーガルから広報まで多岐にわたる翻訳・通訳業務(国際教養学部生インターン)

インタビュー

リーガルから広報まで多岐にわたる翻訳・通訳業務(国際教養学部生インターン)

早稲田大学国際教養学部4年生。2022年4月にインターン生として入所。バイリンガルという特性を活かして、契約書の日英訳や英文リサーチ、同時通訳、オウンドメディアの各種記事の英訳など英語に関係する業務を幅広く担当。

厳格な舞台に身を投じることで自分のポテンシャルを確かめたい

子供の頃から、学業のほかに英語教材で使用されるスキットに出演するなど演劇関係で活躍してきました。大学4年生という社会と向き合う局面において、自らのポテンシャルを知りたいと思うようになり、演劇というクリエイティブな場からは遠いであろう法律や規制のある法律事務所を選択しました。そうして検索でヒットしたのがモノリスでした。

入所したころ、事務所では英語案件の依頼や相談が急激に増えている時期でした。法学部でもない自分が法律事務所でどんな仕事があるのかと当初は不安に思っていましたが、入所時期がよかったため、その不安はすぐになくなりました。

モノリスはインターンにとってとても働きやすい環境だなと感じました。仕事はできそうであればなんでも振ってくれるし、シフトも融通が効くため、授業やテストとの両立も可能です。

リサーチが業務のKEY

翻訳・通訳業務は情報戦だと思います。インターン生なので、出社日はどうしても限られます。業務依頼に応えられるよう、出社したらまず業務依頼の情報を把握することから始めます。業務タスクツールを読み込み、必要な情報をリサーチし、依頼の翻訳に取り掛かります。翻訳に着手する前に、情報に不明な点があれば確認も行います。理解せずに翻訳を行うと、修正する箇所が増えてしまったり、より大きな間違いを招く恐れもあるため、必ず情報を網羅的に適切に把握します。

先生方が作成した契約書や、クライアントから確認依頼のあった契約書の和訳・英訳がメイン業務です。誹謗中傷案件に関する削除請求申請書やプライバシーポリシーの作成も先生方が作成したものをもとに英語版に作成し直すこともしていますし、外国人採用面接やクライアントとの打ち合わせ、さらにクライアントである外資系SaaS企業の会議の同時通訳も担当しています。

翻訳・通訳において、重要なことはリサーチです。業務の大半はリサーチに時間を割きます。翻訳・通訳は、単純に直訳すればいいものでもなく、できるものでもありません。契約上の権利や義務に適用される法律(準拠法)があり、案件や国際取引がどの国で行われるかによって、契約書に使用される単語や表現のニュアンスを適切に変える必要があります。たとえば、フィリピンと日本で国際取引による契約書を作成したいとなった場合、両国の法律には差があります。当該国の法律に合わせた契約書を作成する必要があり、日本の法律が相手国に合うのか、言い回しだけで捉え方が変わってしまうことを踏まえて厳格に作成します。翻訳する中で適切な単語や表現がない場合は、先生方に相談しできるだけ近い意味の言葉を提示し相談するなど、柔軟な対応が必要です。

先生方から参考となる条文の和訳を依頼された際、正確に条文を把握するために、依頼範囲の前後やキーワード検索もかけて、関連しそうな条文は一通り確認するようにしています。さらに、先生方の考えをできるだけ先回りして考え、指示にはなかった範囲でも参考になりそうな箇所は翻訳をしておくこともあります。先生方が安心して業務に対応できるようこうしたサポートには力をいれています。

採用面においても、当日話すであろう内容や候補者と採用側が聞くであろうことを先回りして考えたりヒアリングを行うなどして、事前に翻訳しておきます。なぜなら、同時通訳は会話を聞き洩らさないことや通訳としてその場を円滑に進めるファシリテーターの役割もあると自負しているため、とても神経を使います。準備を怠ると、採用コミュニケーションを止めてしまう恐れがあるため、事前準備は綿密に行うよう心がけています。これは面接のシチュエーションだけでなく、内定後の人事面談でも同様です。ここでも、履歴書を読み込むことや前職での事前リサーチは欠かさずに行います。もし面接中の質疑応答で、互いの情報に不足があった場合は、インプットした情報を付け加えて通訳します。同時通訳をやってみて、こうしたコミュニケーションを円滑にするための空気を読む力やコミュニケーション能力、自分自身も会話に参加している意識が如何に大事であるかを学びました。目立ってはいけないが、その場を円滑にするために必要な人材であると実感しました。これに加え、採用という仕事が面白い・楽しいことにも気づきました。面接と内定後面談に携わっただけではありますが、自分って人が好きなんだな、人と話すのが好きなんだなと知るきっかけになりました。

英語でのメール返信案作成も依頼があります。ビジネスメールは日本語ですらほとんど経験がないので、英語ではもっと分からず、お作法からニュアンスまでもリサーチしています。また、前述にもあったSaaS系外資系企業の会議は学生としては難しい用語が多く、ビジネスも理解する必要があるため、翻訳通訳チームで統一の用語集を作成するなど情報共有も行っています。こうした細かい業務にもリサーチは欠かせません。

広報業務はクリエイティブ&権限もありで楽しい

法律関係の仕事はクリエイティブ性が低いという認識は完全に偏見です。広報業務はまさにクリエイティブです。私は、コーポレートサイトの英語版を立ち上げるプロジェクトの一員として翻訳を担当していますが、単純な翻訳では日本語の文字数よりも英語の文字数の方がかなり長くなります。そのため、日本語で設定した枠内に文字数が収まりきらないことがよくあります。さらに日本語を直訳するだけではネイティブの方には伝わりづらいニュアンスなどもあります。原文を理解して、英語として伝えたい相手にしっかり伝わるように、伝え方を少し変更したり省略したりする必要があります。この作業は私たち英語チームに一任されているため、自分の考えやスタイルで自由に修正しています。同じ作業をしている方がもうひとりいて、翻訳のスタイルが異なることによる文章の違いがあります。言っていることは同じでも微妙にニュアンスが異なるため、互いの翻訳を見ると興味深い発見がありますし面白いです。

広報業務を任されたのは、法学部や法律に関連したバックグラウンドがなく、入所当初は先生方がどのような業務を依頼していいか分からなかったからだと思います。そこで、私のコミュニケーション能力を買ってくれ、活かせると判断し、広報業務を任せていただけたと思います。

モノリスは法律事務所では珍しく、広報やエンジニアなどのクリエイティブな職種の方々がいるため、とてもユニークだと感じています。自分自身、様々な業務に携われていることは価値の高い経験であり、就活するうえでも参考になりました。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、学部生からロースクール生、司法試験受験後の方まで、広くインターンを募集しております。長期インターンシップも可能であり、有給です。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

シェアする

トップへ戻る