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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

YouTuber・VTuber法務

YouTubeの子どもに関するポリシーを解説 年齢制限を受けたコンテンツはどうなる?

YouTuber・VTuber法務

YouTubeポリシー

YouTubeには、利用規約、コミュニティガイドライン、各種ポリシーという3種類の「規約」が存在します。

このうち、YouTubeのコミュニティガイドラインは、YouTubeでの行動を定めた、いわば「交通ルール」のようなものです。このコミュニティに違反すると、チャンネルやアカウントが停止されてしまう可能性もあるため注意が必要です。

ここでは、YouTubeの子どもの安全に関するポリシーを中心に、YouTuber・VTuberが知っておくべきYouTubeの規約について解説します。

YouTubeで禁止されているコンテンツとは

YouTubeのコミュニティガイドラインで禁止されているコンテンツは大きく5つに分けられており、コミュニティガイドラインに違反していると判断されると、チャンネルまたはアカウントが停止される可能性があります。

5つとは、

  • スパムと欺瞞行為
  • デリケートなコンテンツ
  • 暴力的または危険なコンテンツ
  • 規制品
  • 誤った情報

です。

関連記事:YouTubeでチャンネルまたはアカウントが停止されるのはどんな場合?ガイドラインを解説

また、コミュニティガイドラインに違反していなくても、すべての視聴者にふさわしいとはいえないコンテンツの場合、年齢制限が設けられる可能性があります。

YouTubeが定める「デリケートなコンテンツ」とは

「デリケートなコンテンツ」について

YouTubeは未成年の視聴者が多いため、特に「デリケートなコンテンツ」において、未成年者の保護を重視する姿勢が示されています。この「デリケートなコンテンツ」では、「子どもの安全」「サムネイル」「ヌードと性的なコンテンツ」「自殺と自傷行為」「下品な表現」に分けて禁止するコンテンツが挙げられ、その判断の基準となるポリシーが示されています。

子どもの安全に関するポリシー

「子どもの安全に関するポリシー」では、18歳未満の未成年者の心と体を危険にさらすコンテンツを禁止しています。具体的には、

  1. 未成年者の性的対象化
  2. 未成年者が関与する有害または危険な行為
  3. 未成年者に精神的苦痛を与えること
  4. 家族向けコンテンツのように見せかけるコンテンツ
  5. 未成年者が関わるネットいじめや嫌がらせ

が禁止されています。

1には、未成年者を性的に描写したコンテンツや児童ポルノを含むコンテンツが含まれます。

2には、未成年者が危険な行為に関与しているコンテンツや、未成年者に危険な行為をけしかけるコンテンツが含まれます。

3には、未成年者を成人向けの話題に巻き込むようなコンテンツ、親による虐待をまねたようなコンテンツが含まれます。

4には、未成年や家族を対象としながら、性的なテーマ、暴力行為、わいせつなテーマなど、未成年者の視聴者にふさわしくないテーマを含むコンテンツが含まれます。

5には、個人を嫌がらせや侮蔑の対象とするコンテンツ、メールアドレスや銀行口座番号などの個人情報を公表するコンテンツ、同意なく他人を録画したコンテンツ、性的な嫌がらせを含むコンテンツ、他人にいじめや嫌がらせをけしかけるコンテンツが含まれます。

また、未成年者を保護するため、未成年者が出演するコンテンツは、ポリシーに違反していなくても、チャンネル全体および個々の動画の一部の機能が無効になる可能性があり、未成年者が出演するコンテンツで、下記に該当するものは投稿が禁止されています。

  • 個人宅の寝室や浴室などプライベートな場所で撮影したもの
  • 未成年者が知らない人と接触を試みたり、度胸試しや挑戦をオンラインで行ったり、成人向けの話題を論じるもの
  • 未成年者への不適切な注目を喚起するような活動を披露するもの
  • 未成年者の個人情報を公開するもの

そこで、

「挑発的、性的、あるいは性的内容を示唆する行為、チャレンジ、いたずら(キスや痴漢行為など)に関与している未成年者の動画」「危険なスタント、武器や爆発物の使用、アルコールやニコチンのような規制物質の使用など、危険な行為をしている未成年者の動画」「『子ども向け』などのタグが付けられている、または視聴者設定を [はい、子ども向けです] としている家族向けのアニメでありながら、注射器を使用するなどの不適切な行為を描写している動画」等は、禁止されています。

さらに、

「他の人と身体的な接触をさせるために、未成年者に金銭、称賛、高評価、その他なんらかのインセンティブを与えること」「未成年者を性的に描写したコンテンツや未成年がからむ嫌がらせ行為のコンテンツを宣伝する動画」「未成年者が映っていなくても、未成年者に危険な行為をけしかけるコンテンツ」等も禁止されていますので、注意が必要です。

このポリシーは、動画、動画の説明、コメント、ストーリー、コミュニティ投稿、ライブ配信、再生リストなどの、YouTube のサービスや機能に適用されますが、コンテンツ内の外部リンクにも適用され、クリック可能な URL、動画内で口頭により外部サイトに誘導するなどの形式も含まれます。

また、「未成年者が簡単に真似できる危険な行為を大人が行っているコンテンツ」「成人向けであるが、家族向けと間違えやすいコンテンツ」「若年層の視聴者向けには不適切な言葉(露骨な性的表現や冒とく的な表現)を含むコンテンツ」のような、ポリシーに違反していなくても、18歳未満の視聴者にふさわしいとはいえないコンテンツには、年齢制限が適用される可能性があります。

関連記事:YouTube利用規約のポイントは?エンタメ系動画投稿で気をつけるべき点を弁護士が解説

サムネイルに関するポリシー

「サムネイルに関するポリシー」では、コミュニティガイドラインに違反しているサムネイルやその他の画像(バナー、アバター、コミュニティ投稿、および画像を含むその他の YouTube 機能)が禁止されています。具体的には、

  • ポルノ画像
  • 性行為、成人向け玩具の使用、性的嗜好またはその他の性的満足を目的とした画像
  • ヌード(性器を含む)
  • 本人の意に反する性的対象化を描写した画像
  • ショックや不快感を与えることを目的とした暴力的な画像
  • 流血や明らかな骨折などの生々しい描写または不快な描写
  • 下品な言葉や冒とく的な言葉を含む画像
  • 視聴者を誤解させ、動画に含まれていないものを視聴できると思わせるサムネイル

があげられています。

また、コミュニティガイドラインに違反していなくても、すべての視聴者にふさわしいとはいえないサムネイルの場合、年齢制限が設けられたり、サムネイルが削除されたりする可能性があります。この判断においては、

  • 胸部、臀部、性器が中心のサムネイルであるかどうか
  • 登場人物のポーズや衣服が、視聴者の性的興奮を引き起こすことを意図したものであるかどうか
  • 暴力や残虐行為の画像が中心のサムネイルであるかどう
  • 下品な表現、または視聴者にショックや不快感を与える目的で書かれたテキストか
  • タイトル、説明、タグなどで、視聴者に衝撃や不快感を与える意図が示されているかどうか

が、考慮されます。

ヌードと性的なコンテンツに関するポリシー

「ヌードと性的なコンテンツに関するポリシー」は、性的満足を与えることを意図した露骨なコンテンツを許可しないというものです。具体的には、

  • 着衣、非着衣を問わず性的満足を目的とする性器、胸部、臀部の描写
  • ポルノ、性行為、性的満足を目的とした性的嗜好の描写

を含むコンテンツが許可されておらず、「マスターベーション」「性器、胸部、臀部の愛撫や痴漢行為」「性的満足を目的とするヌードまたは部分的なヌード」「合意のない性行為または本人の意に反する性的対象化」「有名人の露出事故やヌード写真の流出」等のコンテンツも、違反とみなされます。

また、コミュニティガイドラインに違反していなくても、すべての視聴者にふさわしいとはいえない性的なコンテンツの場合、年齢制限が設けられたり、サムネイルが削除されたりする可能性があります。この判断においては、

  • 衣服で覆われた、または露出した胸部、臀部、性器が動画の中心であるかどうか
  • 動画の登場人物のポーズが、視聴者の性的興奮を引き起こすことを意図したものであるかどうか
  • 生々しい言葉やみだらな言葉が動画で使用されているかどうか
  • 性的な画像や音声が不鮮明、不明瞭になっているかどうか
  • 性的な画像や音声がコンテンツ内で短いか、長いか

等が、考慮されます。

自殺と自傷行為に関するポリシー

メンタルヘルスに対する意識と理解を高めることは重要なので、YouTube では、うつ病、自傷行為、他のメンタルヘルス問題に関する自身の体験を語るコンテンツの投稿等、自身のストーリーを共有することは認められています。ただし「自殺と自傷行為に関するポリシー」では、自殺や自傷行為を助長して視聴者にショックや不快感を与えるコンテンツや、視聴者に多大なリスクをもたらすコンテンツは 禁止されています。そこで、

  • 自殺や自傷行為を助長または美化するコンテンツ
  • 自殺や自傷行為の方法についての説明
  • 未成年者をターゲットとした、自殺や自傷行為に関連するコンテンツ
  • 自傷行為の生々しい画像
  • 自殺した被害者の体の映像

等は、許可されていません。

また、コミュニティガイドラインに違反していなくても、すべての視聴者にふさわしいとはいえないコンテンツの場合、年齢制限が設けられる可能性があります。これには、「教育、ドキュメンタリー、科学、芸術を目的とするコンテンツ」「公共の利益に関するコンテンツ」「十分なぼかしが入っていて、自殺や自傷行為の方法の詳細や映像のない刺激の強いコンテンツ」「自殺や自傷行為に関する方法、場所、名所などの詳しい説明」等が、該当します。

下品な表現に関するポリシー

「下品な表現に関するポリシー」において、コミュニティガイドラインに違反していなくても、18歳未満には不適切な言葉の場合には、年齢制限を適用するか、コンテンツを削除するか、あるいはチャンネルに対して違反警告が発行される可能性があるとされています。この判断は、

  • 露骨な性的表現やナレーションの使用
  • 動画内での過剰な冒とく的表現の使用
  • 動画のタイトル、サムネイル、関連付けられたメタデータでの非常に冒とく的な表現や性的なものを暗示する語句の使用
  • 過度の性的な音声の使用

といった要素に基づいて、行われます。

年齢制限が設定されるコンテンツとしては、「あおり運転の様子や長時間にわたる暴言が映っている動画で、非常に冒とく的な表現が使用されているもの」「動画集や文脈を無視して抜き出したクリップなど、冒とく的表現の使用に焦点を当てた動画」「非常に冒とく的な表現が飛び交う殴り合いの対立シーンを撮影した動画、または暴力を伝えるために非常に冒とく的な表現が含まれている動画」などが、あげられています。

YouTubeの年齢制限について

年齢制限について

コンテンツに年齢制限が設定されていると、どのような影響が生じるのでしょうか。

年齢制限されたコンテンツの視聴

コンテンツに年齢制限が設定されていると、18歳未満の視聴者やログインしていない視聴者は、年齢制限が設定された動画を視聴できなくなります。他のサードパーティのツール等でも、YouTubeで年齢制限が設定された動画を視聴することはできません。また、別のウェブサイトに埋め込まれたプレーヤーなどにおいても、YouTubeで年齢制限が設定された動画をクリックすると、YouTube や YouTube Music にリダイレクトされ、ログインして18歳以上であることが判明した場合にのみ当該コンテンツを視聴できることとなっています。

つまり、他のウェブサイト上で表示されていたとしても、YouTubeに投稿した動画は適切な視聴者しか視聴できないという仕組みになっているわけです。

年齢制限と投げ銭機能

チャット機能を使って視聴者が配信者へお金を送る投げ銭機能は、YouTubeの場合には、

  • スーパーチャット
  • スーパーステッカー
  • スーパーサンクス

の3つがあります。

スーパーチャットは、ライブ配信時やプレミア公開時に利用される投げ銭機能で、スーパーチャットを送ることによって、視聴者は自身のコメントを目立たせることができます。

スーパーステッカーは、ライブ配信やプレミア公開時に利用される投げ銭機能で、ステッカー(スタンプ)を送ることができます。

スーパーサンクスは、投稿済みの動画に利用される投げ銭機能で、視聴者はコメント欄で自身のコメントを目立たせることができます。

いずれも視聴者には人気があり、配信者には貴重な収益源となる機能ですが、投げ銭機能は限定公開、非公開の動画、および子供向けや年齢制限のある動画では利用できません。だから、動画が子ども向けであると判断された場合、投げ銭による収入はあきらめなければなりません。

年齢制限と収益化

年齢制限が設定された動画であっても、広告による収益化は可能です。ただし、広告主の多くは、ファミリー向けコンテンツや年齢制限されないようなコンテンツに広告を掲載することを好むので、年齢制限が設定された動画では、広告による収益化が少なくなったり、収益がなくなったりする可能性が高くなります。

また、1998年10月にアメリカにおいて制定された児童オンラインプライバシー保護法(Children Online Privacy Protection Act)では、13歳未満の児童から個人情報を収集・利用・開示するウェブサイト事業者やオンラインサービス事業者に対して、児童の親への通知や同意を義務付けています。2019年9月、YouTubeと運営会社であるGoogleは、この法律に違反したとして、アメリカの連邦取引委員会(FTC)から訴訟を起こされていましたが、1.7億ドルの和解金を支払うことで和解しました。

この和解を受けて、YouTubeでは、YouTube上の子ども向け動画やチャンネルにおいて、視聴者の属性などの情報に合わせて広告を表示するパーソナライズド広告などの一部機能を制限しました。これらの機能は、YouTube側が視聴者である子どもの個人情報の収集をすることが前提となっているためです。

このため、YouTubeで配信する動画が子ども向けであると判断された場合、YouTubeの収益化の最大部分である広告料収入は、大幅に減少する可能性があります。

まとめ:YouTubeのリーガルチェックは弁護士へご相談を

コミュニティガイドラインに違反していると判断されると、チャンネルまたはアカウントが停止される可能性があります。また、コミュニティガイドラインに違反していなくても、年齢制限が設けられる可能性があります。どちらも、収益化にとっては重大な問題なので、注意しなければなりません。

関連記事:YouTube利用規約で違反となりやすいケースを弁護士が解説

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面に高い専門性を有する法律事務所です。近年、ネット上で人気化するYouTuberやVTuberの顧問案件を多く承っております。チャンネル運用や契約関連などで、リーガルチェックの必要性が増加しております。当事務所では専門知識を有する弁護士が対策にあたっております。下記記事にて詳細を記載しておりますのでご参照ください。

モノリス法律事務所の取扱分野:YouTuber・VTuber法務

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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