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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

YouTuber・VTuber法務

Vtuber・ライブ配信の注意点とは?法律と規制を解説

YouTuber・VTuber法務

Vtuber・ライブ配信の注意点とは?法律と規制を解説

YouTubeの発展とともに、Vtuberやライブ配信なども徐々に人気コンテンツになっています。ただ、Vtuber動画やライブ配信にあたっては、法的な注意点があります。そこで、本記事では、Vtuberやライブ配信に関する法律や規制について解説していきます。

Vtuberとは

Vtuberとは、バーチャルユーチューバー(Virtual YouTuber)の略で、アバターやキャラクターなどを用いて、YouTubeなどの動画配信サイトを利用して、動画配信を行う人のことをいいます。

Vtuberには、動画投稿の際に、アバターやキャラクターを用いることになるため、動画投稿者が、自らの顔や素性を公開せずに、動画投稿を行うことができるという特徴があります。

また、アバターやキャラクターの設定により、独自の世界観を作り込んで動画投稿ができるという特徴もあります。

Vtuberにおいて、アバターやキャラクターの声について、自動音声ソフトを用いるVtuberや、自らの声を吹き込むVtuberなど、様々なタイプのVtuberが存在します。

ライブ配信とは

ライブ配信とは、YouTubeなどの動画配信サイトによく見られるあらかじめ撮影・編集された動画が投稿される形態と異なり、生放送方式によるストリーミング再生(ライブストリーミング)により、リアルタイムに動画を配信することをいいます。

ライブ配信では、リアルタイムに配信がなされるため、配信者が、リスナーの質問やコメントにその場で回答することができるという特徴があります。

また、動画の編集が行われないことから、撮影中に起こった思わぬハプニングなどもそのまま配信されるという特徴があります。

さらに、動画の編集を行わなくてよい分、手軽に配信を行うことができるという特徴もあります。

Vtuberとライブ配信者が注意すべき法律問題

Vtuberとライブ配信者が注意すべき法律問題としては、以下が考えられます。

  • 肖像権との関係で生じる法律問題
  • プライバシー権との関係で生じる法律問題
  • パブリシティ権との関係で生じる法律問題
  • 著作権との関係で生じる法律問題
  • 名誉に対する罪との関係で生じる法律問題
  • 資金決済に関する法律との関係で生じる法律問題

肖像権との関係で生じる法律問題について

Vtuberが投稿する動画やライブ配信の中で、特定の人物の顔や容姿等が映るケースがあります。

特定の人物の顔や容姿等との関係では、肖像権が問題となります。

肖像権とは

肖像権とは、人格権の一つであり、個人が自分の写真、絵画、彫刻等の肖像をみだりに他人に作成・利用されない権利のことをいいます。

肖像権について、明文で規定された条項はありませんが、判例の中には、「肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、警察官が、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法13条の趣旨に反し、許されない」と判示したものがあります。肖像権という用語が明示的に使われているわけではないものの、肖像権という権利は、憲法上保障された権利であるといえます。

肖像権との関係でどのような法的問題が生じるか

被撮影者の承諾無く、Vtuberが、動画の中で、個人の写真、絵画、彫刻等の肖像を利用すると、肖像権を侵害する行為として、被撮影者から、不法行為に基づく損賠賠償請求をされる可能性があります。

また、ライブ配信においても、Vtuberの場合と同様に、被撮影者から不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があります。

ライブ配信の場合には、動画の編集を行うことができないため、より肖像権侵害のリスクが高いといえます。

Vtuberが動画を投稿する場合、ライブ配信者がライブ配信を行う場合のいずれであっても、他人の肖像を利用することが想定されるときには、他人の承諾を事前にとっておくことが必要になります。

また、承諾がとれない場合には、他人の肖像が映り込まないように細心の注意を払う必要があります。

肖像権の詳しい内容については、以下の記事も合わせてご参照ください。

肖像権侵害とは?成立の基準と判例を解説 | モノリス法律事務所 (monolith-law.jp)

プライバシー権との関係で生じる法律問題について

Vtuberが投稿する動画やライブ配信の中で、特定の人物のプライバシーに関する内容が取り上げられるケースがあります。

特定の人物のプライバシーとの関係では、プライバシー権が問題となります。

プライバシー権とは

プライバシー権とは、人格権の一つであり、純然たる私生活・私事に関する事項について、みだりに公開されない権利のことをいいます。

宴のあと事件の第1審判決で、プライバシー権を侵害することが不法行為に該当するということが初めて判示されましたが、それ以降、プライバシー権の侵害に関する判例が多く出されています。

プライバシー権との関係でどのような法的問題が生じるか

プライバシー権については、他人の承諾無く公開してしまうと、当該他人から、不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があります。

プライバシー権侵害については、宴のあと事件において、以下の3つの要件が示されました。

  • 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのあることがらであること
  • 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立つた場合公開を欲しないであろうと認められることがらであること、換言すれば一般人の感覚を基準として公開されることによつて心理的な負担、不安を覚えるであろうと認められることがらであること
  • 一般の人々に未だ知られていないことがらであること

上記の3つの要件に照らし、他人のプライバシー権を侵害しないように配慮し、動画の投稿やライブ配信を行う必要があります。

パブリシティ権との関係で生じる法律問題について

多くの視聴者に閲覧をしてもらうために、Vtuberが投稿する動画や、ライブ配信の中で、有名人や著名人の話題が取り上げられることがあります。

有名人や著名人との関係では、パブリシティ権が問題となります。

パブリシティ権とは

パブリシティ権とは、有名人や著名人の肖像等に認められる顧客吸引力について、当該有名人や著名人が、排他的に利用できる権利のことをいいます。

肖像権は、前述のように人格権の一つに含まれる権利ですが、パブリシティ権は、人格権というよりも肖像等が有する商業的価値に関する権利であり、肖像権とパブリシティ権は、この点が異なります。

パブリシティ権との関係でどのような法的問題が生じるか

パブリシティ権については、有名人や著名人等の権利者の許諾を受けることなく、自己が投稿する動画の視聴数やライブ配信の視聴数を増やす目的で、有名人や著名人の氏名や肖像等を用いてしまうと、不法行為に基づく損害賠償請求をされる可能性があります。

そのため、有名人や著名人の氏名や肖像等を用いる場合には、事前に許諾を得る必要があります。

著作権との関係で生じる法律問題について

Vtuberが投稿する動画やライブ配信の中で、他人の著作物が利用されることがあります。

他人の著作物の利用との関係では、著作権が問題となります。

著作権とは

著作権とは、著作者が、著作権を排他的に利用できる権利のことをいいます。

著作物については、以下の著作権法第2条第1項第1号で規定されています。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

人が作成したもの全てが著作物となるわけではなく、上記の要件が満たされる場合に、著作物と認められることになります。

著作権との関係でどのような法的問題が生じるか

Vtuberが投稿する動画や、ライブ配信者によるライブ配信では、その性質上、他者の著作権との関係が問題となるケースが多いです。

著作権侵害について、例えば、ライブ配信では、意図せず、流れていたテレビの音声や音楽などが入り込んでしまうことが想定されます。

また、Vtuberが投稿する動画との関係でも、やはり、使用するBGMや画像・動画等との関係で、著作権侵害の問題が生じる可能性があります。

そのため、著作権の侵害が生じていないかということについては、常に意識をするようにし、著作権侵害が生じないようにする必要があります。

名誉に対する罪との関係で生じる法律問題について

Vtuberが投稿する動画やライブ配信の中で、他人に関する発言がなされるケースがあります。

他人に関する発言については、名誉に対する罪との関係が問題となります。

インターネットの発展により、利用者が匿名で気軽に発言ができるようになり、特定の個人に対する誹謗中傷が社会問題となっています。

名誉に対する罪とは

名誉に対する罪の中には、名誉毀損罪(刑法第230条第1項)や侮辱罪(刑法第231条)等が規定されています。

名誉に対する罪との関係でどのような法的問題が生じるか

投稿される動画の内容やライブ配信の内容によっては、名誉毀損罪(刑法第230条第1項)や侮辱罪(刑法第231条)が成立する可能性があります。

名誉毀損罪については、刑法第230条第1項で、以下のように規定されています。

(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

また、侮辱罪については、刑法第231条で、以下のように規定されています。

(侮辱)
第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

名誉毀損罪と侮辱罪との大きな違いとしては、事実の摘示があるかどうかという点があげられます。

インターネットを利用した誹謗中傷が社会問題となっているため、侮辱罪が厳罰化される可能性もあり、今後、ますます注意をする必要があります。

資金決済に関する法律との関係で生じる法律問題について

ライブ配信を行う配信者との関係ではなく、ライブ配信サービスの提供者との関係ですが、資金決済に関する法律(以下「資金決済法」といいます。)との関係が問題となります。

資金決済法とは

資金決済法とは、資金決済に関する規制等を定めることにより、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し利用者等を保護するとともに、サービスの提供の促進を図り、資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上を目的とする法律のことをいいます。

資金決済法との関係でどのような法的問題が生じるか

ライブ配信の特徴的な収益システムとして、投げ銭システムがあります。

投げ銭システムとは、ライブ配信の視聴者が、ライブ配信サービスの提供者から、デジタル上のアイテムなどを購入し、これを配信者にプレゼントする仕組みなどをいいます。

投げ銭システムと資金決済法との関係につきましては、以下の記事で詳しく説明をしていますので、以下の記事を合わせてご参照ください。

生配信アプリの投げ銭サービスと資金決済法・資金移動業の関係とは | モノリス法律事務所 (monolith-law.jp)

まとめ

以上、Vtuberやライブ配信に関する法律知識があまりない方を対象に、Vtuberおよびライブ配信に関係する法律や規制について解説しました。

Vtuberやライブ配信について、今後、ますます私たちの生活に浸透していくものと考えられます。そのため、少なくとも、どのような法律問題が生じ得るかということについて理解をしておく必要があると考えられます。

Vtuberやライブ配信に関する法律問題については、専門的な知識が要求される分野ですので、疑問等をお持ちの方は、弁護士に相談することをオススメします。

当事務所による対策のご案内

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面に高い専門性を有する法律事務所です。近年、ネット上で人気化するYouTuberやVTuberの顧問案件を多く承っております。YouTuber・VTuberに関連する契約書の作成やチェック、動画内の肖像権やプライバシーの問題などで、リーガルチェックの必要性が増加しております。当事務所では専門知識を有する弁護士が対策にあたっております。

下記記事にて詳細を記載しておりますのでご参照ください。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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