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YouTuber・VTuber法務

テーマパーク内で無断動画撮影はOK?SNSへの投稿は?法的問題点を解説

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テーマパーク内で無断動画撮影はOK?SNSへの投稿は?法的問題点を解説

テーマパークに行き、動画撮影を行った経験があるという人も多いと思います。

動画撮影を行い、個人的に楽しむだけであれば大きな問題は生じませんが、近年は、InstagramやTwitterなどのSNSに、テーマパーク内で撮影した動画をアップするという人も多いと思います。

では、テーマパーク内で動画を撮影したり、撮影した動画をSNSにアップしたりすると、どのような法的問題が生じるのでしょうか。

テーマパーク内での動画撮影でどのような問題が生じる可能性があるか

テーマパーク内で動画撮影を行った場合に、撮影される可能性がある客体は様々です。例えば、他の入場者、テーマパーク内に存在するキャラクター、テーマパーク内で流れる音楽及びテーマパーク内に存在する建築物などが考えられます。

上記について、個人で楽しむために撮影するのであれば、三脚や自撮り棒を用いるなど、一部のケースを除けば、原則として、大きな問題は生じないものと考えられます。

ただ、商業目的で動画を撮影する場合には、著作権の関係で、法律的な問題が生じる可能性もあります。

また、各テーマパークでは、約款が規定されており、約款との関係で問題が生じる可能性があります。

そこで、以下では、テーマパーク内で、ショーやパレードを撮影し、YouTubeなどの動画共有サイトにアップするというケースを想定し、法律的な問題点及び約款との関係での問題点を説明します。

法律的な問題点について

テーマパーク内で、ショーやパレードを撮影し、YouTubeなどの動画共有サイトにアップする場合、著作権との関係が問題となります。

著作権とは

著作権とは、著作物を保護するための権利のことをいいます。

著作物については、以下の著作権法第2条第1項で規定されています。

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

著作物には、人が創作したあらゆるものが含まれるのではなく、著作物に該当するというためには、上記の定義に該当するものである必要があります。

テーマパーク内のショーやパレードに著作権が認められるか

テーマパーク内で行われるショーやパレードは様々な要素で構成されていますが、大きく分けると、キャラクターについての著作権、ダンスの振り付けなどの舞踏の著作権及び音楽の著作権が認められる可能性があると考えられます。

繰り返しになりますが、テーマパーク内でのショーやパレードを動画で撮影した場合、個人的に楽しむのであれば、著作権を侵害しないものと考えられます。

ただ、撮影した動画を商業利用する場合には、著作権侵害となる可能性があります。

実際に、著作権侵害が問題となった事例がありますので、紹介します。

テーマパーク内でのショーやパレードの動画撮影が問題となった事例

問題が発生したテーマパークは、千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾートです。

2007年、東京都練馬区の会社員とその妻の両容疑者と、東京都足立区の看護師と浦安市富士見の無職の両容疑者の計4人が、ディズニーリゾートで撮影したアトラクションのパレードを、DVDに複製し、ネットを通じて無断で販売したとして、著作権法違反容疑で逮捕されました。

4人は、高価なビデオカメラで撮影し、その出来栄えもプロ顔負けだったようです。公式に販売されているパレードのDVDでは満足できないというコアな層を対象に、DVDが販売されていたようです。

4人は、「ハロウィン2006」というパレードの際、三脚を立てて見やすい場所を占拠して動画を撮影していました。4人の動画撮影により、他の入園者がパレードを見づらい状態となっていたことから、他の入園者が、東京ディズニーリゾートに対し、4人への苦情を寄せ、東京ディズニーリゾートが、警察に通報し犯行が発覚したようです。

4人は、2人ずつ別のグループでしたが、平成16年以降で、それぞれ、約1800万円(DVD約1500枚分)と約900万円(同6500枚分)を売り上げていたようです。

YouTubeでは、ショーやパレードが撮影された動画が多くアップされていますが、これらは厳密にいえば、著作権侵害であると考えられます。

YouTubeへのショーやパレードの動画のアップでは、収益化のための広告を付けることが難しく、上記のように、商業目的でDVDを複製して販売するというケースとは、多少性質が異なることから、事実上、大きな問題にはなっていないと考えられます。

ただ、動画共有サイトで、テーマパーク内で撮影したショーやパレードの動画をアップすることは、著作権侵害であると考えられるため、損害賠償請求される可能性があり、注意が必要です。

テーマパークの約款との関係

テーマパークによっては、約款で、テーマパーク内での動画撮影について、規定を定めているケースがあります。

そこで、以下では、代表的なテーマパークである東京ディズニーリゾート及びユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の約款を紹介します。

東京ディズニーリゾートの約款について

東京ディズニーリゾートは、「東京ディズニーリゾートからのお願い」を公開し、以下のような行為を禁止しています。

  • 商業目的の撮影等
  • 他のお客様のご迷惑となる撮影および公衆送信
  • ハンディサイズのグリップアタッチメントを除き、一脚・三脚・自分撮りスティック等の補助機材の使用
  • 東京ディズニーランドおよびその関連施設の運営の妨げになる一切の行為

上記の規定との関係では、商業目的以外の動画撮影、すなわち、私的な目的のための動画撮影であれば、原則として、認められるものと考えられます。

ただ、他の入園者の迷惑となる撮影、一脚・三脚・自分撮りスティック等の補助機材の使用や東京ディズニーランドおよびその関連施設の運営の妨げになるような撮影方法は、私的な目的の動画撮影でも禁止されていますので、注意が必要です。

また、「他のお客様のご迷惑となる撮影および公衆送信」が禁止されている点に留意する必要があります。

USJの約款について

USJでは、「ルールとマナー」を公開し、テーマパーク内での動画撮影に関連する規定として、以下のような規定を定めています。

すべてのゲストの皆さまがパークを快適に楽しめるよう、撮影には一部、制限を設けています。
・事故防止のため、アトラクション乗車中の撮影
・ネタバレにつながる、クイズ内容、解答などの撮影
・演出効果への影響やエンターテイナーの安全のために、フラッシュ撮影禁止をお願いしている場所での、フラッシュを使用しての撮影
・非公開エリア(工事や改装エリア等)の撮影
・著作権侵害につながる、営利目的の撮影
・LIVE(生)配信やそれに準じた撮影
・他のゲストへのご迷惑につながる、不特定多数のゲストへのお声がけによる撮影行為
上記は一例です。他のゲストへのご迷惑になると判断した場合、施設損壊の恐れのある場合、クルーやエンターテイナーの安全優先をはかる場合、クルーの判断で中止を求めることがあります。
ご理解、ご協力をお願いします。

パーク内での撮影について

USJの規定では、LIVE(生)配信やそれに準じた撮影が禁止されていますが、東京ディズニーリゾートの規定と異なり、公衆送信自体は禁止されていません。

そのため、他の規定に抵触しない範囲であれば、テーマパーク内で撮影した動画を動画共有サイトやSNSにアップしても規定に違反しないと考えられます。

まとめ

以上、テーマパーク内で動画を撮影することが多い人を対象に、テーマパーク内で動画撮影を行うことに関する問題点を紹介しました。

テーマパーク内での動画撮影は、法律との関係及び約款との関係を考える必要があり、内容をしっかりと確認しないと、何らかの問題が生じる可能性があります。

そのため、テーマパーク内で撮影した動画を動画共有サイトやSNSでアップしようと考えている方は、問題があるか否かを自分で判断するのではなく、専門的知識を有する弁護士に相談することをオススメします。

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