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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

YouTuber・VTuber法務

テーマパーク(遊園地)で動画を撮影する際の注意点とは

YouTuber・VTuber法務

テーマパーク(遊園地)で動画を撮影する際の注意点とは

SNSの普及に伴い、テーマパークや遊園地に出かけた際に動画を撮影してSNSに投稿する人が増えています。ただ、場合によってはテーマパークや遊園地の禁止事項違反となってしまったり、著作権侵害等になる可能性もあります。

この記事では、思わぬトラブルを避けるため、テーマパークや遊園地で動画を撮影する際に注意すべきポイントについて解説します。

テーマパークや遊園地の施設管理権とルール

テーマパークや遊園地の管理者は施設管理権を持っており、利用者は行為や言動を制限されることがあります。

施設管理権とは

施設を本来の⽬的に沿って利⽤するために必要な措置を⾏う権利を指し、施設管理者が持っています。この施設管理権に基づき、施設管理者は動画の撮影等に一定の制限を設けることができます。たとえば、東京ディズニーリゾート(TDL)やユニバーサルスタジオジャパン(USJ)では、以下の行為が禁止事項として挙げられています。

ディズニーランドの禁止事項

「東京ディズニーリゾートからのお願い」では、以下の行為が禁止されています。

・商業目的の撮影等

・他のお客様のご迷惑となる撮影および公衆送信

(中略)

・営利活動(当社が許可した場合を除きます。)

「東京ディズニーリゾートからのお願い」

動画を撮影してYouTube等にアップして金銭を得たり、他の客の迷惑となるような形で写真や動画を撮影したり、ネット等にアップしたりすることは禁止されています。「公衆送信」には、SNSやブログに写真や動画をアップすることも含まれます。

2013年5月29日付けのJ-CASTニュースによれば、TDLの担当者は写真の利用について「個人で楽しむ範囲であれば問題ない」としていますが、どこからどこまでが「個人で楽しむ範囲」にあたるのかについて明確な基準はないとのことです。そのため、TDL内で撮影した動画をネット上にアップした場合は、禁止事項違反となる可能性があります。

USJの禁止事項

・集会、演説、無許可の商行為や宣伝(撮影等も含む)および他のゲストに迷惑がかかるような撮影や公衆送信等
(中略)

・非公開エリア(工事や改装エリア等)を撮影したもののSNSなどを含む公表

「USJ その他お断りしていること」

TDLと同じように、撮影した動画等を商業目的で使うことや他の客の迷惑になるような撮影やその写真や動画のネット上等での公開は禁止されています。また、非公開エリアを撮影してSNSに投稿することも禁止されています。

著作権関連の問題点

また、テーマパークや遊園地で撮影した動画をSNS等にアップして公開する際には、著作権法違反にならないよう注意する必要があります。

キャラクターの著作権

遊園地やテーマパークにいるキャラクターと写真や動画を撮影した場合は、キャラクターの著作権が問題となります。キャラクターそのものに著作権は発生しませんが、キャラクターの着ぐるみには「キャラクターを表現したもの」として著作権が発生します。

では、キャラクターの着ぐるみの動画を無断で撮影する行為は、著作権の中の権利の一つである「複製権」の侵害にあたるのでしょうか。その動画を自分や家族が楽しむだけであれば、私的利用の範囲内とされるため、著作権者の許諾がなく動画を撮影しても複製権の侵害にはあたらないとされています(著作権法第30条第1項)。

ただし、その動画を無断でネット上にアップすると、著作権のうち「公衆送信権」の侵害に該当し、著作権法違反にあたる可能性があります。また、営利目的で著作物を無断で利用することは禁止されているため、動画を複製して販売したり、YouTube等にアップして金銭を得たりすれば著作権法違反となります。

キャラクターの著作権問題については、以下の記事で詳しく解説しています。

パレードの著作権

2007年、東京ディズニーリゾートのパレードの動画を撮影し、DVDに複製して無断で販売した男女が著作権法違反容疑で逮捕されるという事件がありました。この件では、パレードが著作物としてとらえられています。そのため、パレードを撮影した動画をSNS等に無断で投稿すれば、著作権の一つである「公衆送信権」の侵害にあたり、著作権法違反に該当する可能性があるといえます。また、パレードの動画を無断で複製して販売したり、動画投稿サイトに投稿したりする等営利目的での利用は著作権法違反となります。

ただし、キャラクターの着ぐるみの動画と同様に、自分や家族で楽しむ範囲内で撮影することは問題ないものと思われます。

パレードに関連して、ダンスの振り付けが著作物にあたるのかどうかについては、以下の記事で詳細に解説しておりますのでご参照ください。

写り込みと肖像権の侵害

撮影した動画に他人が写り込んでいる場合は、肖像権の侵害にも注意が必要です。肖像権とは、無断で容姿を撮影されたり、その写真等を無断で公開されたりしない権利を指します。他人が写り込んだ写真や動画の公開が肖像権侵害にあたるかどうかについては、さまざまな基準があります。

テーマパークや遊園地は、撮影されることが予測できる場所であるといえるため、肖像権の侵害にあたるケースは少ないかもしれません。ただし、個人の顔を特定できるような動画や他人をメインで撮影しているような動画は、肖像権侵害にあたる可能性があります。また、不特定多数の目に触れる可能性があるSNS等へ動画を投稿した場合も、肖像権の侵害にあたる可能性が高くなります。

動画を撮影する際には、他人が写り込まないように気をつけ、万が一顔がはっきりわかるような形で写り込んでいる動画をSNS等で公開する際にはモザイクをかける等の配慮が必要です。

肖像権の侵害について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

また、写り込みに関連する著作権法の改正については以下の記事で解説しています。

まとめ

遊園地やテーマパークでは、思い出作りのためにたくさん写真や動画を撮影することがあるかと思います。ただ、その写真や動画の撮影方法や利用方法によっては、テーマパークのルールに違反してしまったり、著作権法違反となってしまったりする可能性があります。どういった行為が著作権法違反等にあたるのかは、判断が難しいケースもあります。万が一、トラブルに発展した場合は早めに弁護士へ相談するようにしましょう。

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モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面に高い専門性を有する法律事務所です。近年、著作権をめぐる知的財産権は注目を集めており、リーガルチェックの必要性はますます増加しています。当事務所では知的財産に関するソリューション提供を行っております。下記記事にて詳細を記載しております。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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