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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

エゴサーチにおけるYahoo!リアルタイム検索とGoogleアラートの効果的活用法とは

風評被害対策

エゴサーチにおけるYahoo!リアルタイム検索とGoogleアラートの効果的活用法とは

企業のリスクマネジメントを考える上でソーシャルメディアに存在する自社や自社の商品・サービスに関する評判を無視することはできません。エゴサーチを行って日頃から自社や自社の商品・サービスに関する評判を把握し、速やかに対応できるようにしておくべきです。企業名で検索しただけでも、自社で管理するウェブサイトやニュース等の公開情報だけではなく、プレスリリースを転載したまとめサイトや、消費者や顧客等のTwitterなどでの発言を見つけることもあるでしょう。

しかし、多数の情報や評判の中から炎上やマイナスイメージにつながるような「芽」をいかに早く発見するかが重要となるので、漫然と会社名や商品・サービス名で検索するだけでは効率的とは言えません。エゴサーチを効果的に行える、Yahoo!リアルタイム検索とGoogleアラートを解説したいと思います。

Yahoo!リアルタイム検索とは

Yahoo!やTwitter、Facebookなど主要プラットフォームには、リアルタイム検索機能があります。リアルタイム検索を利用すれば、ユーザーの反応を効率的に調べられますが、Yahoo!リアルタイム検索は、ログイン不要でTwitterとFacebookの検索結果をまとめて確認することができるYahoo!公式の無料アプリです。

Yahoo!リアルタイム検索の特徴

Yahoo!リアルタイム検索の特徴について説明していきます。

Yahoo!リアルタイム検索には、いくつかの特徴があります。

ツイート数の推移を知ることができる

検索した当該キーワードがどのくらいの数、ツイートされているのかがグラフで表示されます。24時間、7日間、30日間の3つの期間別で表示され、その中でさらに幅を指定して表示することも可能です。

「感情の推移」を知ることができる

「感情の推移」とは、時間ごとにそれぞれどのくらいポジティブなツイート、ネガティブなツイートがされたのかを表したグラフです。全体でどのくらいの割合だったかを円グラフ、時間別を折れ線グラフで表示します。自社に関するキーワードがネガティブな内容と一緒にツイートされている場合には注意が必要となるので、内容を確認するとよいでしょう。

「話題なう」を知ることができる

「話題なう」という、ユーザーに多く検索されているワードを表示する機能があります。今話題のキーワードをまとめて見られるので、トレンドをリアルタイムで知ることができます。

Yahoo!リアルタイム検索のメリット

上のような特徴を持つYahoo!リアルタイム検索でエゴサーチをおこなえば、自社や商品・サービスに関する評判を効率的に収集し、調査し、対応することが可能となります。新しい商品を発売した、新サービスをリリースした、サービスをリニューアルしたといったときに反応や評価を知るのに使うといいのはもちろんですが、Yahoo!リアルタイム検索は、エゴサーチに便利なツールとなり得るのです。

また、Yahoo!リアルタイム検索はリアルタイムの情報を調べられるので、緊急時の情報収集の一つとしても活用されています。東日本大震災では、被災地の状況や家族・友人の安否確認をする手段として、震災後には消防庁や政府が情報を発信するツールとして、Twitterが利用されましたし、熊本地震ではTwitterのツイートの中から、被災者に役立つ情報を効率的に検索できる新しいシステムが開発されました。この性質、機能は、炎上発見にも役立ちます。バイトテロのような炎上は、一刻も早く発見し、対応することが大切ですが、Yahoo!リアルタイム検索が、このために役立ちます。

Googleアラートとは

Googleアラートは、特定のキーワードを登録すると、そのキーワードが含まれる情報がWeb上に流れた際に自動的に通知してくれるというGoogleが提供している機能の1つです。通知の頻度も調整可能です。通知方法はGmail、もしくはRSSフィードから選択することができます。

例えば「仮想通貨」と登録しておけば、日々更新される仮想通貨に関連する最新情報が自動的にGmailフォルダ、もしくはRSSフィードに入ってきます。メディアそのものを見に行く時間がない場合にでも、情報を漏らさずチェックできるという非常に便利な機能です。このGoogleアラートも、アラートまでに若干のタイムラグが生じてしまうので、即時性という点ではYahoo!リアルタイム検索に一歩譲りますが、エゴサーチに利用できる便利なツールとなります。

Googleアラートの設定方法

Googleアラートの設定方法の手順について説明していきます。

1.Googleアラート設定用のページ(https://www.google.co.jp/alerts)にアクセスします。

2.キーワードを入力します。
ページ上部にある入力項目に、設定したいキーワードを入力します。

3.入力したキーワードで通知される情報の内容を確認します。キーワードを入力すると、下部に通知対象となるニュースが表示されるので、内容を確認し、欲しい情報が多く含まれていればそのまま登録し、余計な情報が多く混じっている場合はもう少しキーワードを細かく設定する等を行い、変更します。登録キーワードが決定したら、「アラートを作成」をクリックします。

4.アラートの詳細を設定します。
アラートを作成したら、必要に応じて詳細設定を変更しましょう。設定キーワードの右側にある鉛筆のマークをクリックすると、

  • 頻度:通知頻度のことで、「その都度」「1日1回以下」「1週間1回以下」の中から選択可能です。
  • ソース:コンテンツのタイプを選ぶことができます。「ニュース」(Googleニュースの最新記事を検索)「ブログ」(新しく公開されたブログポストを検索)「ウェブ」(すべての新しいWebコンテンツを検索)「ビデオ」(Googleでビデオと表記されているものを検索)「書籍」(Googleブックスに新しく追加されたものを検索)「ディスカッション」(新しいオンライン掲⽰板のスレッドを検索)「⾦融」(クエリーに⼀致した株価を検索)があります。必要であれば1つ以上選ぶこともできますし、全てのカテゴリーにしたい場合は「⾃動」を選びます。
  • ⾔語︓選んだ⾔語でソースをフィルタリングします。
  • 地域︓アメリカとカナダとイギリスのソースに絞りたい場合は、ここで設定します。
  • 件数︓「上位の結果のみ」か「すべての結果」のどちらかを選びます。
  • 配信先︓⾃分のGoogleアカウントか「RSSフィード」にアラートを送ることが できます。

5.配信先でRSSフィードを選択することが可能です。
上の詳細設定に書いたとおり、選択して登録を行うと「マイアラート」に登録したキーワードが表示されます。RSSフィードの形式のページが表示されますので、そのページのアドレスをRSSリーダーなどに登録すれば、Googleアラートの通知をRSSフィードで受け取ることが可能になります。RSSリーダーに登録することで、わざわざサイトへアクセスしなくても、更新情報や新着情報をチェックすることができるようになります。

6.「アラートを更新」をクリックして、設定が完了します。

Googleアラートのキーワード設定

Googleアラートを活用するためのキーワード設定について説明していきます。

自社の名前や自社の商品・サービス名をキーワードとして設定すれば、自社や提供している商品・サービスについて言及している投稿などが自動で通知されてきます。URLを登録しておけば、被リンクの状況も把握できます。

競合する会社名やその商品・サービス名をキーワードとして設定しておけば、競合社の評判や新サービス、新商品のリリースなどの最新情報を把握することもできます。また、取引先の情報収集をすることも可能となります。

Googleアラートのキーワード設定テクニック

エゴサーチや炎上監視にGoogleアラートを活用する際には、

  • 会社名
  • 代表のフルネーム
  • 屋号や商品名・サービス名

をそのまま登録することが基本ですが、それだけではすべての情報を把握することはできませんし、同名の会社や同姓同名の別人情報を拾ってしまうなど、ノイズが発生することとなります。社名が短い、同名の会社が複数ある等のケース、同姓同名の人が大勢いたり、芸能人がいるケースなど、ノイズの方が大きくなってしまうこともあります。そういうときにはいくつかの方法でノイズを回避しましょう。

and検索

最も一般的なのはand検索で条件を絞っていく方法でしょう。
例えば、「鈴木茂」は、「田中実」とともに、同姓同名の人が日本でいちばん多い名前だそうですが、その中に、はっぴいえんどやティン・パン・アレーなどのギタリストだった鈴木茂さんもいます。「鈴木茂」で検索すればノイズが多すぎるかもしれませんが、「はっぴいえんど and 鈴木茂」や「ギタリスト and 鈴木茂」で登録すれば、「はっぴいえんど」「鈴木茂」や「ギタリスト」「鈴木茂」の両方が含まれる記事のみをピックアップすることができます。これによりはっぴいえんどやティン・パン・アレーなどのギタリストだった鈴木茂さん以外の「鈴木茂」についての記事やサイトを除外することができます。

除外検索

同名排除したい場合は、除外検索を活用する方法もあります。
除外検索は半角のマイナス記号を検索したいワードの前に入れることで、そのワードを含んだサイトを排除することができます。例えば「鈴木茂 -はっぴいえんど」と登録すれば、はっぴいえんどのギタリストだった鈴木茂さんに関する記事は除外されます。

フレーズ検索

語句やフレーズを“”(ダブルクオーテーション)で囲み、囲まれた語句やフレーズを順番通りに含んだサイトのみをピックアップする方法ですが、リスクワードの検出に便利な場合があります。「“ギタリストの鈴木茂”」で登録すれば、「ギタリストの鈴木茂」というフレーズ一致の場合のみが表示され、「鈴木茂 ギタリスト」は除外されるようになります。

or検索

or検索は絞り込むのとは反対に、対象を拡大したいときに使います。「はっぴいえんどor ギタリスト and 鈴木茂」で検索すれば、「はっぴいえんど」もしくは「ギタリスト」の「鈴木茂」について広く対象とすることができます。対象を絞り込むのではなく、エゴサーチや炎上監視としてアラートの対象を広い範囲で含めたいときに活用するとよいでしょう。例えば、会社名とリスクワードを組み合わせる場合は、

“会社名”and”リスクワード1”or”リスクワード2”or”リスクワード3”

とすれば、会社名と想定するリスクの両方に触れた投稿を見つけることができます。

まとめ

Yahoo!リアルタイム検索やGoogleアラートを効果的に活用すれば、毎日のエゴサーチが容易になるだけでなく、必要な情報を速く、効率的に取得することが可能となります。エゴサーチをうまく行い、自社や自社の商品・サービスに関する評判を把握し、速やかな対応を取れる体制を構築することが必要です。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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