弁護士法人 モノリス法律事務所03-6262-3248平日10:00-17:00(年末年始を除く)

法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

Yahoo!知恵袋の投稿者を特定する方法について弁護士が解説

風評被害対策

Yahoo!知恵袋の投稿者を特定する方法について弁護士が解説

Yahoo!知恵袋とは、Yahoo! Japan(ヤフー株式会社)が運営するナレッジコミュニティです。利用者は、電子掲示板上で質問や回答をすることにより、知識や知恵を共有することができます。Yahoo!知恵袋には、多数の質問や回答が寄せられており、Googleなどの検索エンジンで関連するワードを検索するとヒットすることも多いので、見たことのある方もたくさんいるでしょう。Yahoo!知恵袋はとても便利なサイトですが、中には、誹謗中傷や名誉毀損に該当すると思われるような質問や回答が投稿される可能性もあります

この記事では、Yahoo!知恵袋に悪質な質問や回答が投稿された場合に、その投稿者を特定する方法について説明します。

Yahoo!知恵袋とは

Yahoo!知恵袋とは、利用者が質問や回答をすることにより、知恵を共有することができるナレッジコミュニティです。Yahoo!知恵袋には、芸能人、料理、健康、恋愛相談、人間関係の悩みなどさまざまなジャンルのカテゴリがあり、復縁の方法など友達や家族に相談しにくい悩みなども質問することができます。Yahoo!知恵袋は、サイトだけでなくアプリから利用することもできます。アプリをインストールすれば、アプリから質問や回答をしたり、投稿を確認したりすることができるのです。

Yahoo!知恵袋に投稿される悪質な質問や回答の例

Yahoo!知恵袋は、Yahoo! Japanへログインした上でYahoo!知恵袋への利用登録をすれば、誰でも質問や回答をすることができます。そのため、誹謗中傷や名誉毀損にあたると思われるような質問や回答が投稿されてしまう可能性もあります。Yahoo!知恵袋に投稿される悪質な質問や回答の例には、どのようなものがあるのでしょうか。

  • 「○○旅館の温泉に有害な菌が繁殖してるって噂は本当ですか?」という質問
  • 「△△レストラン、食中毒起こしたのに隠してるらしいですよ」という回答

上記で例に挙げた質問や回答は、投稿の右下にある「違反報告」ボタンから違反報告を行い、Yahoo!知恵袋の「利用のルール」の禁止事項に該当すると判断されれば、投稿の削除などが行われる可能性があります。

Yahoo!知恵袋「利用のルール」に列挙されている禁止事項は、以下の通りです。

禁止事項1:誹謗(ひぼう)中傷など他人を攻撃したり、傷つける内容の投稿
禁止事項2:社会規範および公序良俗に反する内容の投稿
禁止事項3:商業目的や広告目的で利用すること
禁止事項4:個人を特定できる情報の投稿
禁止事項5:無断で著作物を公開するなど、第三者の知的財産権を侵害すること
禁止事項6:サービス運営を妨害する行為

https://chiebukuro.yahoo.co.jp/docs/wish/attention.html

ただ、違反報告をしたとしても、必ずその投稿が削除されるとは限りません。違反報告を行っても悪質な質問や回答が削除されない場合や、その投稿により被った損害が甚大である場合などは、投稿者特定手続を検討しましょう

投稿者特定手続とは

投稿者特定手続の流れは、以下の通りです。

  • IPアドレスの開示請求
  • ログの削除禁止命令または通知
  • 住所氏名の開示請求
  • 投稿者に対する損害賠償請求

各々の手順の詳細については、以下で解説していきます。

IPアドレスの開示請求

Yahoo!知恵袋の悪質な投稿者を特定するために最初に行わなければならない手続は、IPアドレスの開示請求です。

IPアドレスとは

IPアドレスとは、ネットワーク上にある機器(PCやスマホなど)を識別するために割り当てられた数値です。インターネット上の住所や電話番号のような役割をしていると考えるとわかりやすいでしょう。

Yahoo!知恵袋の利用登録を行うためには、Yahoo! Japanへログインする必要があります。Yahoo! JapanのIDは、まず、携帯電話番号を入力し、SMSに届いた確認コードを入れ、属性情報(生年月日、郵便番号、名前、連絡用メールアドレス等)を記入すれば登録できます。この際の名前は、実名を設定しないよう推奨されています。

上記の画像の通り、Yahoo!知恵袋は、Yahoo! Japanにログインしていれば、利用登録するIDを確認し、「利用のルール」へ同意することにより利用登録をすることができます。質問や回答をする際に、投稿者のIDが表示されますが、表示されるのは最初の3文字だけなので特定はできないようになっています。

Yahoo! Japanは、IDの登録に携帯電話番号が必要であるため、投稿者の携帯電話番号などは把握しているものと思われますが、携帯電話番号からただちに個人を特定できるわけではありません。そのため、投稿者を特定するためには、IPアドレスを開示してもらう必要があります

投稿者のIPアドレス開示請求

IPアドレスの開示請求は、正式な裁判ではなく、仮処分という手続によって行うことができます。仮処分とは、民事保全制度の一種で、裁判所が決定する暫定的処置です。裁判は、1年以上かかってしまうことも少なくありませんが、仮処分は、約1~2ヶ月で決定が出るケースが多いです。その場合の弁護士費用の相場は、インターネット上の情報では

着手金が30万円程度、成果報酬金が30万円程度

https://monolith-law.jp/reputation/reputation-lawyers-fee

などと言われています。この手続では、IPアドレスの開示と削除を、同時に求めることが可能です。上記は両方を行うための費用となります。もっとも、対象とする投稿の内容や量によって、当然費用は変わってきます。

Yahoo!知恵袋の「利用のルール」の禁止事項に該当すると思われるような悪質な質問や回答は、違反報告をすれば削除してもらえるケースもあります。しかし、違反報告を行っても悪質な質問や回答が削除されない場合や、精神的苦痛が大きい場合などは、IPアドレスの開示請求を検討するべきでしょう。Yahoo!知恵袋の質問や回答を削除する方法については、下記記事で詳細に解説しています。

投稿の違法性を立証

Yahoo!知恵袋「利用のルール」によれば、禁止事項に該当する質問や回答が投稿された場合、Yahoo! Japanは投稿の削除などを行うことができるものとされています。この場合、その質問や回答は「利用のルール」に違反しているといえますが、違法性まではないケースもあります。

一方、裁判所にIPアドレスの開示命令を出してもらうためには、以下の二つが必要になります。

  • その投稿の違法性を示す法的な主張
  • 上記を立証するための証拠

裁判所へIPアドレスの開示命令を求める場合は、その質問や回答の違法性を主張したり、違法性を立証するための証拠を検討したりする必要があります。

ログの削除禁止命令または通知

IPアドレスの開示命令が出て、IPアドレスが開示されれば、投稿者が投稿時に使っていたプロバイダを特定できます。プロバイダは、IPアドレスを使用している者のログ(コンピュータの利用記録)を保存しています。しかし、ログは永久に保存されているわけではなく、携帯回線などは3ヶ月ほどで削除されてしまうこともあります。このため、ログの削除の禁止命令をプロバイダに対して出してもらう必要があります。この禁止命令は、また別の裁判手続をして発令してもらわなくてはなりません。

ただ、「これから投稿者の住所氏名の開示請求手続を行うので、開示請求命令が出るまでログを保存しておいてほしい」という通知を出せば、裁判手続までしなくてもログを削除しないでおいてもらえることも多いです。そのため、まずは通知を出すことを考えたほうがよいと思われます。ただし、その通知を行うだけだとしても、該当する質問や回答の違法性を主張したり、その証拠をそろえる必要はあります。

こうした通知を作成する場合にも専門知識は必要になりますので、弁護士へ依頼せずに作成するのは簡単なことではありません。

住所氏名開示請求

ログの保存依頼通知を発送した後、プロバイダに対し、投稿者の住所氏名開示請求手続を行います。住所氏名開示請求は、仮処分によって行うことはできないため、正式な裁判手続を経る必要があります。

例えば、Yahoo!知恵袋に「□□メーカーの椅子、どうですか?」という質問が投稿され、「不良品で、いきなり壊れてケガしました。交換や補償にも応じてもらえませんでした。」という回答が投稿された場合、その投稿が単なる誹謗中傷ではなく、きちんとした証拠があり、また、その事実を公共の場で発表することが公益に適うと思われる場合には、投稿者のプライバシーは尊重されるべきでしょう。このような場合に、投稿者の住所や氏名が開示されてしまうのは、適切ではないと言えます。そのため、裁判所は十分に検討を重ね、その投稿の違法性を認めた場合にのみ、住所氏名の開示命令を出すことになります

損害賠償請求

住所氏名開示命令が出された場合、投稿者が質問や回答を投稿した際に使用したインターネット回線の契約者の住所氏名が開示されます。契約者の住所氏名が判明すれば、一連の手続に要した弁護士費用や損害に対する慰謝料などを請求することができるようになります。

損害賠償金がきちんと支払われ、それを弁護士費用にあてることができれば、被害者の金銭負担はありません。ただし、投稿者の特定ができずに終わることや、投稿者を特定できて損害賠償を請求できたとしても、受け取った損害賠償金が一連の弁護士費用に満たないこともあります。この点については、下記記事で詳しく解説しています。

まとめ

Yahoo!知恵袋は、身近な人には聞きにくい疑問や悩みなどを気軽に相談でき、回答を得られるとても便利なサービスです。しかし、中にはわざと悪質な回答が集まるような質問や、誹謗中傷にあたるような回答が投稿される場合もあります。

悪意のある質問や回答の投稿者を特定するためには、複数の裁判手続を経る必要があり、また、それぞれの手続も複雑です。投稿者を特定できれば、投稿者に対して損害賠償を請求できますが、弁護士費用が高くつく場合もあるため、損害賠償金では弁護士費用や損害額をまかなえないこともあります。

投稿者特定手続は、豊富な専門知識が必要とされる難しい手続です。Yahoo!知恵袋の悪質な投稿に悩まされている場合は、インターネット上の誹謗中傷対策や名誉毀損対策に詳しい弁護士へ早めに相談するのがおすすめです

モノリス法律事務所

モノリス法律事務所

モノリス法律事務所は、IT・インターネット・ビジネスに強みを持つ、東京・大手町の法律事務所です。

シェアする:

TOPへ戻る