弁護士法人 モノリス法律事務所03-6262-3248平日10:00-17:00(年末年始を除く)

法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

検索エンジンのサジェスト汚染。仕組みや対策を弁護士が解説

風評被害対策

検索エンジンのサジェスト汚染。仕組みや対策を弁護士が解説

GoogleやYahoo! JAPANの検索窓にキーワードを入力して検索すると、関連のある語句が予測表示されます。このようなワードのことをサジェストキーワードと呼びます。

ユーザーにとって便利な機能ですが、企業名や商品・サービス名を検索するとネガティブワードなワードが出てくることもあり、企業のイメージダウンに繋がります。このように、検索エンジンのサジェスト欄に意図的に悪質なサジェストや関連キーワードが多数表示されるようにする行為、又はその結果をサジェスト汚染といいます。

サジェスト汚染の被害にあった際には、どうすればいいのでしょうか?詳しく解説します。

サジェスト機能

サジェスト汚染が起きる原理を理解するためには、GoogleとYahoo! JAPANのサジェストがどのようなアルゴリズムに則って表示されているのかを理解する必要があります。

Googleサジェストの仕組み

Googleのサジェストは以下2つのデータを基に表示を行っているとされています。

  • 対象のキーワードで多くの検索が行われているか
  • 対象のキーワードが含まれるサイトが多数存在しているか

多くの人が検索を行い、かつそれを裏付けるようなサイトが存在することが、Googleサジェストが表示される条件となっています。例えば、5ちゃんねるや爆サイのような大型掲示板で複数のスレッドに書き込まれ、そのワードについて調べる人が増えると、条件が満たされサジェストに表示されることとなります。

Yahoo! JAPANサジェストの仕組み

Yahoo! JAPANのサジェストはGoogleと違いシンプルで、検索ボリュームを基にサジェストの表示が行われるとされており、「対象のキーワードで多くの検索が行われているか」が表示に関わるデータとなります。結局、こちらも検索数上位のキーワードがYahoo! JAPANサジェストに出てくることとなります。Yahoo! JAPANサジェストでは反映時間が早く、Twitter等で話題になった内容や、ニュースで大々的に取り上げられた内容が速やかに反映されます。

サジェスト汚染の特徴

これらの検索エンジンの仕様より、例えば掲示板の複数のスレッド内にサジェストで表示させたいネガティブワードを書き込み、繰り返し検索をかけ、Twitter等の拡散性のあるツールでネガティブワードが書かれたURLにリンクを貼る等の行為により、サジェスト欄をネガティブワードで埋めていき、故意にサジェストを汚染させることが可能です。

検索エンジンのアルゴリズムが最適化されると共にサジェスト汚染の被害は減少していますが、決してゼロになることはないでしょう。

サジェスト汚染はなかなか消えない

サジェスト汚染の問題点としては、まず、一度検索エンジンに登録されてしまうと、なかなか消えないという点にあります。根拠がないサジェストでも一旦表示されてしまえば、ネガティブであればあるほど注目を集めやすく、興味本位でさらに検索されます。いつの間にか定着し、上位表示され、当該の検索語と非常に強い関連をもった言葉として表示され続けるという悪循環が生まれます。

サジェスト汚染は個人でも行える

次に、「個人でも行える」という点にあります。プログラムを用いて掲示板や「Yahoo!知恵袋」などに大量のページを作ることでキーワードの関連度を上げる愉快犯がおり、その他、ネット上で関連キーワードを汚染する方法が公開されており、ツールも購入することが可能となっています。ある程度のWEB知識があれば、個人もしくは数人でサジェスト操作が可能になってしまうという点がサジェスト汚染の怖さです。掲示板への連続書き込みや同一内容を複数スレッドに投稿する行為は「荒らし」として削除の対象になり得ますが、スレッドの趣旨に沿って加筆修正を行った内容であるなら、個人で大量の投稿を行う事も可能です。

サジェスト汚染の削除

最高裁判所は、いわゆる「忘れられる権利」裁判において、下記のように検索エンジンの社会的役割を評価しています。

検索事業者による検索結果の提供は、公衆が、インターネット上に情報を発信したり、インターネット上の膨大な量の情報の中から必要なものを入手したりすることを支援するものであり、現代社会においてインターネット上の情報流通の基盤として大きな役割を果たしている。そして、検索事業者による特定の検索結果の提供行為が違法とされ、その削除を余儀なくされるということは、上記方針に沿った一貫性を有する表現行為の制約であることはもとより、検索結果の提供を通じて果たされている上記役割に対する制約でもあるといえる。

最高裁判所2017年1月31日判決

こうした判例もあるため、明らかなサジェスト汚染が起こっていたとしても、検索エンジン側ではなかなか削除には動いてくれません。

Googleのオートコンプリートポリシー

ただし、Googleの場合は、オートコンプリートポリシーにおいて、

Googleでは、不適切な検索候補が表示されないよう最善を尽くしていますが、常にそれが実現できているとは限りません。表示された検索候補が以下のポリシーのいずれかに違反すると考えられる場合は、検索候補を報告する方法をご確認ください。

https://support.google.com/websearch/answer/7368877?hl=ja

と規定し、具体的な違反例として

  • 暴力的または残虐な内容の検索候補
  • 露骨な性的表現、下品な表現、冒とく的な内容を含む検索候補
  • 特定の集団に対する憎悪をあおる、容認する、または助長するような検索候補
  • 著名人に対する不適切かつ中傷的な検索候補
  • 危険な検索候補

をあげており、削除申請フォームから申請することで削除できる可能性があります。

企業が被るサジェスト汚染の場合、Googleは「リクエストに沿って、適用される法律のもと、または裁判所命令に応じて、コンテンツを削除することがあります」としており、名誉棄損に当たる内容など、法的に問題がある内容に関しては、同様に削除申請を行う事が可能です。

発信者情報開示請求

ネガティブな投稿が行われた当該サイトの記事に対して削除の仮処分申請を行い、発信者情報開示を請求して投稿者を特定し、損害賠償を求めることは可能です。

この裁判結果をGoogleやYahoo! JAPANに通知し、削除申請を行うのが、サジェスト汚染を防ぐ最も確実な方法となります。裁判で権利侵害が認められれば、GoogleもYahoo! JAPANも速やかに対応します。Yahoo! JAPANの場合3~7日間で、Googleも約1~2ヶ月程度で削除されています。

まとめ

悪質なサジェストや関連キーワードが表示されると、企業は大きな風評被害を受ける可能性があります。放置すればするほど真偽のいかんに関係なくどんどん拡散し、風評の完全な削除が困難になってしまいます。

速やかに削除依頼等の対応をして被害を最小限に食い止める必要があります。ネット上の風評問題に対し経験豊かなモノリス法律事務所へご相談ください。

モノリス法律事務所

モノリス法律事務所

モノリス法律事務所は、IT・インターネット・ビジネスに強みを持つ、東京・大手町の法律事務所です。

シェアする:

TOPへ戻る