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風評被害対策

エキテンの口コミを削除依頼する方法

風評被害対策

エキテンの口コミを削除依頼する方法

エキテンとはヘアサロン、病院等といった様々な種類の店舗についての口コミサイトです。エキテンのサイトにアクセスすれば一度も行ったことがないお店でも、他の利用者の口コミを読むことで、お店の雰囲気がつかめたり、サービスの様子を知ったりすることができます。お店側としてもうまく使いこなすことで店の宣伝にもなり、また集客も期待できますので、お店側としても恩恵があるようです。ですが、口コミは良い情報ばかりではありません。お店側にとって不都合な情報、あるいは事実と違った情報が載ってしまうこともあります。

本記事では、エキテンに書き込まれた悪質な口コミを削除する方法や風評被害対策について説明していきます。

エキテンとはどのようなサイトなのか

エキテンは、株式会社デザインワン・ジャパンが運営する国内最大級の店舗の口コミランキングサイトになります。掲載されている店舗は、飲食店のみならず、様々なジャンルがあり、リラクゼーション、ヘアサロン、歯科、医院、学習塾、習い事、リサイクル、中古買取、出張デリバリー、生活サービス、ペット、住宅、不動産、冠婚葬祭、グルメ、お出かけスポット、ショッピングなど様々な分野の口コミが掲載されているサイトです。

ユーザーは、会員登録をしなくても、口コミやランキング、店舗情報を閲覧できます。また、ネット予約をする際にも、「初めてかんたん予約」を利用すると初回の利用については会員登録せず利用できます。そして、会員登録をすると、二回目以降のネット予約や口コミの投稿ができる仕組みになっています。このように、口コミを投稿するには原則として会員登録が必要ですが、店舗が配布する「口コミスピードくじ」を利用することで、会員登録をしなくても口コミが投稿できることがあります。

エキテンではどのような風評被害が生じるか

口コミによってどのような風評被害が生じるのでしょうか。

エキテンは、ユーザーが自分の行ったことのある店舗についての口コミを投稿できる仕組みになっています。口コミは信憑性を確保するため投稿できる件数が決まっています(1日3件まで、ジャンルによっては1日7件まで)が、実際に店舗に訪れた客であるのかどうかの確認は行われておりません。また、口コミガイドラインによると、掲載基準は「お店にとって都合がよいかどうかは基準としていない」とも明記しています。したがって、店舗にとって不利益となる口コミが掲載される可能性があります。

サービス内容に関する虚偽の口コミ

エキテンでは口コミの投稿者が実際に店舗に訪れた客であるのかどうかの確認は行っていないことから、その店舗を実際には利用してない人でも自由に口コミを書き込むことができます。したがって、例えば「美容院Aでは男性客を受け付けていない」などといったサービス内容に関する虚偽の口コミがなされるおそれもあります。そうすると、この美容院を検討していた男性客は来店をとりやめることになります。したがって、このような虚偽の口コミが書き込まれることにより、本来得られるはずであった顧客を逃すおそれがあります。

店舗等のイメージを悪くする口コミ

例えば、「レストランBの社長が脱税で捕まった」や「C歯科の院長がサイコパスで客とトラブルになっている」などの口コミも店舗等の評判を落とす悪質な口コミの一種です。社長が脱税で逮捕されたとの口コミについては直接来店客に対する影響はないもののその店舗の運営について悪いイメージを抱かせるものです。他方、院長がサイコパスであるとの口コミがあれば、対応に不安を感じるのが通常ですので来店を取りやめる人が多いでしょう。いずれの口コミについても、多かれ少なかれ店舗の売上減少につながりかねないものといえます。

どのような方法で悪質な口コミを削除できるのか

利用規約違反による削除請求

店舗側にとってイメージの悪い情報や事実と違う情報が掲載されてしまったとき、店舗としてとれる対策はあるのでしょうか。まずは、利用規約違反として、削除請求する方法が考えられます。

エキテン利用規約ページより第10条

エキテンの利用規約では、第10条に「投稿禁止事項等」が定められています。利用規約違反に基づき口コミの削除を求める場合には投稿禁止事項等のいずれに該当するかを具体的に指摘する必要があります。

禁止事項(11)号では、「店舗からの依頼によるもののうち、以下に該当するもの」として、「イ 店舗の提供するサービスを利用せずに投稿したもの」とあります。したがって、上で例に挙げた「美容院Aでは男性客を受け付けていない」という口コミのように、店舗を利用している人であれば書き込まないような明らかな虚偽の書き込みについては、(11)号に該当するとして削除を求めることが考えられます。また、禁止事項(8)号は「当サイトの趣旨にそぐわないものまたは無関係のもの」を削除の対象としています。上で例に挙げた「レストランBの社長が脱税で捕まった」との口コミについては、脱税と店舗のサービスには直接には関係がないことから(8)号に該当すると主張することができるでしょう。

さらに、「C歯科の院長がサイコパスで客とトラブルになっている」といったような口コミについては、禁止事項(4)号「店舗へのクレームやトラブルに関するもの」に該当するといえます。

お問合せフォーム画面より

口コミの削除をサイト運営者に要求する方法ですが、エキテンではそれぞれの口コミの右下に「違反報告」のボタンがあるので、これをクリックして表示されるお問い合わせフォームから連絡することができます。また、ユーザーページの口コミでは、それぞれの口コミについて「問題のある口コミの連絡」ボタンがあり、こちらもお問い合わせフォームにつながっています。

違法行為による削除請求

口コミが違法行為に該当する場合、どのような対応が可能になるのでしょうか。

口コミの内容によっては、投稿自体が違法行為に該当する場合があります。中でも一番多い違法行為が、名誉毀損となる口コミの投稿になります。名誉毀損は、人の社会的評価を低下させる事実を書き込んだ場合に成立します。

ただし、その事実が真実である場合や真実であると信じるべき正当な理由と根拠がある場合は名誉毀損にはなりません。したがって、口コミが店舗やその従業員の社会的評価を低下させるような内容である場合で、その事実が真実でない場合や真実であると信じるべき正当な理由と根拠がない場合は、名誉毀損にあたる違法なものとして削除請求ができます。名誉毀損の成立要件に関しては、下記の記事にて詳細に説明しております。

名誉毀損が成立するような場合は、プロバイダ責任制限法に基づきエキテン管理者またはホスティングプロバイダに対し送信防止措置依頼を行うことも可能です。送信防止措置依頼は、依頼を受けたサイト管理者またはプロバイダが、依頼をした人の権利が侵害されていると信ずるに足る相当な理由があると判断した場合に情報の送信自体を阻止する手続であり、実質的に削除と同じ効果をもたらします。ただし、削除すべきかの判断は依頼を受けたサイト管理者等の裁量に任されているので、必ず削除されると言い切れないところがあります。なお、送信防止措置依頼書を送付する際に必要となるエテキンの住所や宛先については、Whoisで検索するか、弁護士であれば弁護士用の申告フォームから開示を依頼することになります。

仮処分による削除

利用規約違反による削除請求にしろ、違法行為による削除請求にしろ、サイト運営者側がこちらの請求に素直に従い削除をしてくれれば、その時点で問題は解決します。

しかし、サイト運営者側がこちらの要求に応じてくれない場合、裁判手続を利用して削除請求をする必要があります。口コミの削除については、通常の裁判手続とは異なる仮処分手続を利用することができます。仮処分は仮の裁判手続であるため、通常であれば約1~2か月と比較的短期間で結論が出る点が特徴です。仮処分で削除すべきという決定が出されれば、サイト運営者側は削除する法的義務が発生しますので、通常は削除に応じることでしょう。

仮処分手続においては、法的根拠に基づいて的確な主張をする必要があり、また主張を裏付ける資料の用意も必要です。こうした主張立証は弁護士に依頼しないとなかなか難しいのが実情です。また仮の裁判手続だからといって簡単に勝てる手続きではありません。むしろ仮処分の場合、サイト管理者から話を聞く審尋と呼ばれる手続において法的な議論が発生しやすいため、弁護士の腕によって結果が左右されることが多いです。そのため、誹謗中傷の事案について豊富な経験がある弁護士に依頼するのが得策です。

仮処分による投稿者特定

サイト運営者側に口コミの投稿を削除してもらうだけでなく、当該口コミを書いた本人に対して、名誉毀損による損害賠償請求をする場合があります。このようなときは、口コミを書いた本人の名前や住所を知る必要があるのですが、個人情報という秘匿性の高い情報に関するものであることから任意に開示に応じてもらえることはまずありません。そこで、投稿者の特定については裁判所を通じた手続により開示してもらう必要があります。

発信者情報開示請求に関しては、下記記事にて詳細に解説しています。

まとめ

エキテンでは、実際に店舗を利用せずに投稿した口コミは利用規約違反として削除請求することができます。また、実際に店舗を利用した口コミでも投稿禁止事項に該当する場合には利用規約違反として削除請求することが可能です。さらに、任意の削除請求に応じてくれない場合は、裁判手続を通じた削除請求や投稿者の特定ができます。特に、エキテンで掲載されるような店舗等に関する悪質な誹謗中傷の口コミがなされるとただちに売上の減少につながることから、早急に対処する必要があります。このため、素早く的確な手続をとることができるように、IT分野についての経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。


弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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