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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

風評被害対策

Rettyのネガティブな口コミを削除する方法

風評被害対策

Rettyのネガティブな口コミを削除する方法

食事をしようという場面で、お店選びで悩んだことはありませんか。そのようなとき、多くの人はインターネットやアプリを通してお店の情報や評判を参考にすると思います。Rettyは、お店選び・レストランの予約の時に多く使われているウェブサービス・アプリの1つであり、ここには飲食店について様々な人の口コミや情報が掲載されており、お店の集客アップには欠かせない存在ですが、一方でその影響力の強さから、悪い口コミが書かれてしまった時に受ける被害も大きくなりやすいといえます。ここでは、Rettyに誹謗中傷の口コミが投稿された場合の風評被害対策について説明します。

Rettyに関する解説

Rettyとは、2011年6月よりRetty株式会社が運営しているレストラン・飲食店の口コミサイトです。ここでは、様々な検索条件から飲食店を検索し、気に入ったお店を予約したり、「行きたい」リストに登録することができます。また、訪問したお店について口コミレビューを残すことができます。
最大の特徴は、実名登録制ということです。会員登録は、原則としてFacebookやLINEなどの実名SNSを通じてのみ行うことができます。また実名登録が必須であり、ペンネームや仮名での登録はできません。実名で行うため知り合いに閲覧されることがあり、いたずら投稿やネガティブな投稿が少なく、人にオススメするようなポジティブな投稿が多いのも特徴です。

Rettyはお店と利用者の双方がHappyになれるサービスを目指しているそうです。実際に、Rettyでは他の多くの口コミサイトのように、お店を点数化して評価したり、平均点を表示するシステムがありません。口コミ評価を基に算出されたランキングから飲食店を提案するという従来型のサービスではなく、信頼できる友人や好みの合う人からオススメのお店を提案するサービスといえ、この点でレビューサイトというより飲食店専門のSNSといった側面が強いのが特徴です。近年利用者数を急増させていて、これからますます影響力の強いサービスになるといえます。

Rettyサイトトップ画面より

Rettyに投稿されるネガティブな口コミとは

Rettyは口コミサイトであるため、ネガティブな口コミも投稿されてしまうこともあります。

Rettyは「オススメのお店」を紹介することを趣旨としたサービスですので、基本的にはポジティブな投稿が中心です。実名登録制であることも、それを後押ししているようです。もっとも口コミサイトですので、ネガティブな口コミが掲載されてしまうこともありえます。ここでは、Rettyの口コミ欄で想定されるネガティブな口コミ・風評被害の内容を解説します。

不満を過剰に表現した口コミ

まず考えられる口コミとして、お店に対する批判を書いた口コミです。「一番人気と謳っているステーキを頼んだが、肉が硬く噛みきれかった。正直オススメできない」というような口コミは、お店にとっては好ましくない口コミといえます。ただし、このようなお客さんの主観的な評価による口コミは基本的には誹謗中傷とは言い難く、感想の1つであるので、悪質なものと直ちに言い切ることはできません。このような口コミが削除対象になるかどうかの判断は難しくなります。もっとも、「こんな店絶対に行かない方がいい」「最悪のディナー」といった断定表現を含んでいる、誹謗中傷表現が含まれている、事実と反する内容が書いてあるなど、場合によっては削除対象となるものもあります。また、例えば「肉が運ばれてきたがまずそうで、見るからにお腹を壊しそうなので口をつけずに帰りました」など、実際に食事をした感想ではない内容も、削除対象となる可能性があります。

個人間トラブルに関する投稿

次に、お店と利用者の間での個人的なトラブルを記述した口コミです。
「窓際の席を予約したのに、窓から一番離れた席にされた」「オーダーした金額よりも多額の請求をされた」「料理に髪の毛が入っていた」などです。このようなトラブルに関する記述は事実関係の確認が困難で、また当事者同士での解決が望まれるものであり、さらにお店の印象や評判を下げるためネガティブなものといえます。オススメのお店の紹介とはかけ離れたものですので、Retty側で削除対象とされる可能性があります。

個人に対する誹謗中傷や悪意表現を含む口コミ

その他に考えられるのは悪意ある表現や誹謗中傷の記述を含む口コミです。たとえば、「店長Aはセクハラを毎回してきます」「ウェイトレスBにお金を騙し取られました」「店員Cは不潔です」という口コミがあったとしましょう。このような表現は、特定の個人であるAさんBさんCさん、またお店の名誉を貶めるもので、早急に削除されるべき投稿といえます。また、セクハラや法令違反行為などの告発が真実であったとしても、口コミによっては事実関係の確認が困難であり、また然るべき当局や警察に連絡すべき内容です。このような投稿によって名誉毀損の被害などを受ける可能性がある人にとっては、できるだけ早い削除が望ましいでしょう。

利用規約違反で削除請求する方法

Retty投稿ガイドライン・利用規約

Rettyには投稿ガイドラインがあり、ここでは削除対象となりうる投稿の例やRetty運営の基本方針が示されています。また、Rettyの利用規約では、投稿に関して禁止事項が列挙されています。このガイドラインや利用規約に違反する投稿に関しては、削除対象の投稿といえ、お問い合わせフォームから報告すれば削除される可能性があります。

Retty投稿ガイドラインより一部抜粋
Rettyグルメの利用規約第11条 より

削除依頼を行う方法

Rettyでは、iPhoneアプリからは簡単な報告機能を使うことができます。報告は報告ボタンを押すがのみの簡単なものですが、この報告により当該口コミについて、運営が利用規約および投稿ガイドラインに基づき検討を行って頂けるようです。

iPhoneアプリ報告機能画面 より

ただし、報告機能には記入欄がないので、削除をしてほしい理由を自分の言葉で伝えることができません。具体的に削除依頼をする理由を伝えたいときは、お問い合わせフォームからするのが良いでしょう。Rettyのお問い合わせフォームを探すと、問い合わせ先のメールアドレスが表示されます。ここにメールをすれば、翌営業日までに返信が来るようです。

Rettyお問合せページより

利用規約違反として削除依頼を行う時の例

Rettyのお問い合わせはメールフォームなので、まず件名には簡潔に「口コミ削除のお願い」などわかりやすく欠くようにしましょう。また、どの口コミのことかRetty側が特定しやすいように、URLやスクリーンショットを添付するのも大切です。今回は、「肉が運ばれてきたがまずそうで、見るからにお腹を壊しそうなので口をつけずに帰りました」というような、食事を実際に食べていないと思われる口コミがあった場合を例にします。説明欄は以下のように書くとよいでしょう。お世話になります。フレンチレストラン〇〇の店長Aと申します。当店に関する口コミの削除をお願い致します。URLはhttps://retty.me/ABCD1234…で、添付スクリーンショットの、甲田乙子さんの口コミになります。この口コミは、お肉がまずそうで一口も食べずに帰ったという旨が書かれています。実際に食べておいしくなかったというのであれば仕方ない面もありますが、一口も食べずまずそうと言われるのは納得できないばかりか、当店のイメージダウンもつながります。また、実際当店にはお肉を頼んで一口も食べずに帰ったお客さんは最近3ヶ月いなかったので、実際に来店されたのかどうかも疑問です。この口コミはRetty投稿ガイドライン4のNG例に該当するものです。このような書き込みがあると当店の営業に悪影響ですので、削除をお願いしたいです。よろしくお願い致します。

削除依頼をしても投稿が削除されないときはRettyに対して、送信防止措置請求を行う、または訴訟の提起を検討することができます。これらは、法律事務になりますので、自分自身で行うまたは弁護士に相談して行っていくことになります。弁護士以外の削除代行業者に依頼すると、法律違反になりうることに注意しましょう。

違法だとして削除請求する場合

違法として削除請求する場合のノウハウは専門の弁護士からご相談を。

法律上取りうる手段

権利侵害など、法律に抵触する内容であれば弁護士を通じて削除を裁判上で争うことができます。まず、インターネット上の風評被害対策に関連する法的にとりうる手段には、大きく分けて

  • 送信防止措置請求による自主的削除の依頼
  • 投稿記事削除請求・仮処分の申立て
  • 発信者情報開示請求(IPアドレスの開示請求、住所氏名の開示請求)
  • 損害賠償請求(投稿者を特定できた後の損害賠償請求)

などがあります。この中でも、削除に直結する請求は、送信防止措置請求または、投稿記事削除請求、及び仮処分の申立てになります。

法律上主張するべき内容

では、法律上で削除の請求をしていくには、まず考えられるのは「名誉毀損」の主張をすることです。名誉毀損は、

  • 「公然と」
  • 「事実を摘示し」
  • 「人の名誉を毀損する」

の全てに該当する事実があるときに成立します。例として、「店長Aは仲良くなると、裏メニューといって禁止されているはずの生レバーを出してくれます!」というクチコミが掲載されていた場合、1から3の要件をみたすのか、具体的に見ていきましょう。まず、今回のようにRettyなどクチコミサイトにおける投稿は、インターネット上で不特定多数の人物が閲覧することが可能な状態に置かれているといえるので、「公然と」といえます。次に、「事実の摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる具体的事実を告げることをいい、真実か虚偽であるかを問いません。今回は「生レバーを提供」をしてくれるという内容ですが、このような内容は、店長Aさんが生レバーを提供するというような食品衛生法に反する行為をしているという事実を摘示するものであり、店長やお店の社会的評価を低下させるに足りるものといえます。

最後に、「毀損した」というためには、実際に社会的評価が害されていなくても、その危険性が抽象的に存在すれば足り、名誉が現実に侵害されている必要はありません。実際に問題となっている投稿がネットニュースやSNSで不特定多数の人に閲覧され、サロンに対し非難や抗議が殺到したことを証明する必要はありません。その危険性が客観的に存在することがいえればよいということになります。名誉毀損の詳しい成立要件等は下記の記事にて詳細に説明していますので参考にしてください。

裁判所を通した方法(仮処分)による削除

名誉毀損など、上記のような法律違反の指摘をして削除を求めるには、まずは、送信防止措置請求の方法をとるのが通常です。しかし、送信防止措置請求は裁判所を通さない削除依頼の方法で、Rettyによる自主的な削除を求めるものです。もっとも任意手段なので、判断によっては、削除は行われないこともありえます。これに対し裁判所を通した手続きでは、裁判で削除が認められれば判決による拘束力が生じるので、Rettyは強制的に削除に応じることになります。このため、送信防止措置が認められなければ、裁判手続に移行することが効果的です。

なお仮処分とは、民事保全法に規定されている方法で、一刻も早い解決が求められる場合に、正式な訴訟によって確定判決を得る前に暫定的な処分を求めるものです。今回のような誹謗中傷の口コミなどは、一度拡散してしまうと回復困難な損害が生じるおそれが多分にあるので、訴訟提起と併せて、仮処分の制度を利用して一刻も早い情報の削除を求めることが有効的です。仮処分命令が発令されると、裁判所が相手方に投稿を削除するように命令しますので、相手方は削除に応じることになります。仮処分の場合、風評被害対策にノウハウのある弁護士へ相談を行えば、依頼から削除まで、2-3ヶ月程度で実現できるケースが多く有効的な手段といえます。誹謗中傷や風評被害を受けた場合の当該記事の削除、仮処分の手続きに関しては下記の記事にて詳細に説明しています。

仮処分による投稿者特定

仮処分による投稿者特定について、弁護士に依頼を行えば、いわゆる発信者情報開示請求で投稿者のIPアドレスなどの情報を開示し、投稿者を特定することができる可能性があります。これをすると、特定された発信者に対して、誹謗中傷投稿により被った損害について損害賠償請求を求めることができるようになります。これらの手続の流れに関しては下記記事にて詳細に解説しています。

まとめ

Rettyは、実名登録制であり、オススメのお店を紹介するというテーマのサイトなので、悪質な書き込みが少ないサイトです。お店としても利用しやすいでしょう。しかし、口コミサイトであり利用者が自由に書き込める以上、トラブルに繋がる書き込みやネガティブな投稿はがされる可能性はあります。もっとも、削除依頼をしたり、また削除依頼が通らなかったとしても、上記のような法的な手段をとれば、解決することができるかもしれません。どのような方法でどのような主張をしていけばいいのか、削除が認められるのかは個別のケースによって異なります。いずれにしても、違法性を主張する場合は専門的な内容や手段を含むので個人で行うのは難しく、また法律行為になりますので、弁護士の力が必要になります。まずは、弁護士に相談して、当該口コミが権利侵害にあたるのか、法律に抵触しているかどうかを判断してもらいましょう。

弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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