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風評被害対策

破産者マップの個人情報が5ちゃんねるに!問題点と削除方法を解説

風評被害対策

破産者マップの個人情報が5ちゃんねるに!問題点と削除方法を解説

借金がたまりにたまって返せなくなり、経済的に立ち行かなくなった人が、裁判所に申立てを行って財産を清算することを「自己破産」と言います。

自己破産をすると官報に名前と住所が掲載されますが、かつてそれを利用した「破産者マップ」というサイトが存在しました。

今回の記事では、破産者マップ等における破産者の個人情報が、2ちゃんねるや5ちゃんねるに掲載されてしまった場合の問題点と削除方法について解説します。

破産者マップで破産者の個人情報を公開

2019年3月、「破産者マップ」という、官報の過去10年分(最終的には3年分)の破産者情報を収集してデータベース化し、Google マップ上のピンをクリックすると破産者の住所や名前等が閲覧できるサイトが登場しました。

これに対し、個人情報保護委員会は「本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない」などの規定に違反する恐れがあるとして、サイトを閉鎖するよう、直ちに行政指導に踏み切りました。

同月19日、運営者はTwitterアカウントで「関係者に辛い思いをさせた」と謝罪を行うとともに、サイトを閉鎖しました。

破産者マップ閉鎖後、5ちゃんねるへ情報が転載

破産者マップは閉鎖されたものの、破産者の住所・氏名の情報は2ちゃんねるや5ちゃんねるに転載され、現在もインターネット上に残存しています。
官報に掲載された情報よりは簡略化されていますが、特定される可能性は大いにあります。

5ちゃんねるトップページ

ネットで破産情報が公開される問題点

官報や破産者マップに記載された破産者の情報が、5ちゃんねる等のサイトに転載されてしまった場合、法律上どのような点が問題となるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

名誉毀損

名誉毀損には刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪にあたり違法なものと、民法上の不法行為にあたり違法なものがありますが、ここでは民事上の名誉毀損を念頭において説明します。

民事上の名誉毀損とは、名誉権の侵害であり、事実を摘示して人の社会的評価を低下させた場合に、名誉毀損として不法行為が成立します。

破産者の情報が、5ちゃんねる等のサイトに転載されてしまった場合に名誉毀損が成立するかを見ていきます。

すでに公開されている情報を転載する行為も名誉毀損にあたりうる

この点について、東京地裁平成27年5月16日判決は、「同内容の投稿であっても再度掲載されることにより、閲覧者の目に触れる機会が増え、新たな社会的評価等の権利侵害が生じるものである」と判示し、名誉権の侵害を認めました。

また、ある人が破産したという事実は、その人の信用に関わる内容であり、これがみだりに公表されることによりその人の社会的評価を低下させたとみることもできます。

したがって、すでに公開されている情報であっても、これを転載する行為は、対象者の社会的評価を低下させる事実の摘示にあたり、名誉毀損にあたる可能性があります。

名誉毀損の成立要件等については、下記弊所記事にて詳しく解説しています。

官報に掲載された破産情報を転載する行為は違法になりうる

名誉毀損に当たる場合であっても、公共の利害に関する事実にあたり、かつその目的が専ら公益を図ることにあった場合、真実であることの証明があったとき(または真実であると信じたことにつき相当の理由があったとき)は、違法性が否定されます。

つまり、破産情報を5ちゃんねるなどに転載されたとしても、上記のような事情がある場合には、違法性が否定されてしまうのです。

この点について検討するためには、そもそも破産法とはどのような法律なのか、破産情報が官報に掲載されることの目的は何なのかを理解しておく必要があります。

破産法は、債務整理の一つである破産手続きの要件・効果・手段などを定める法律です。

破産法第1条
この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

このように、破産法の目的は、「債権者の権利の確保を図る」とともに、「債務者の経済生活の再生の機会の確保を図る」ところにあるのです。

そして、破産者の情報を官報に掲載するのは、配当手続きにあたり債権者に対して債権の届出を促し、公平かつ迅速に破産手続きを遂行するためであり、あくまでも関係者らに対する公告を目的としています。

よって、官報などに掲載された破産情報であったとしても、第三者がそれを2チャンネルや5チャンネルなどのサイトに無断で転載する行為には、公共性及び公益目的は認められないものと言えるでしょう。

したがって、破産情報を他サイトへ転載する行為は、違法性が否定されず、不法行為が成立する可能性が高いです。

プライバシーの侵害

プライバシー権とは、「私生活上の情報をみだりに公開されない権利」と理解されています。

破産者にとって、自分が破産したことや、住所及び氏名は、一般に公開されたくない情報であり、このような情報がみだりにネット上に公開されることによって、私生活の平穏が害されたと主張することができます。

この場合、民法第709条、第710条に基づいて不法行為責任を追及し、損害賠償請求ができる可能性があります。

プライバシーの侵害については弊所下記記事にて詳しく解説しています。

将来の破産手続者の利用を阻害

破産に至った経緯は、人によって様々です。たとえ、本人に責任がある破産理由であったとしても、破産は裁判所が認めたものであり、免責も裁判所が認めたものです。

破産の事実を公表されるのではないかという恐怖心を人々に抱かせることは、将来の破産手続きの利用を阻害したり、セーフティネットである破産制度を用いることをためらう人を増加させる可能性があります。

破産手続きをとることができず、借金地獄に陥り、手段をなくした多重債務者が死を選ぶ可能性すらあります。

こうした社会的被害の拡大を防ぐためにも、破産者マップのようなサイトや掲示板に情報を掲載されてしまった場合には、すみやかに、当該投稿の削除請求などの適切な処置をとることが肝要です。

2ちゃんねると5ちゃんねるで個人情報を削除する方法

掲示板に投稿されたら削除請求のための適切な手続きが必要です。

では、もし、自分が破産したという情報が2ちゃんねるや5ちゃんねるにおいて公表されたとき、どのように対応すればいいのでしょうか。

「2ちゃんねる」と言えば、日本最大の匿名掲示板サイトです。しかし、運営主体同氏の紛争からサイトが分裂し、2ちゃんねると5ちゃんねるに分裂しました。

2ch.scは、5ch.netのミラーサイト(コピーサイト)なので、基本的には5ch.netと同じ投稿内容です。
しかし、別途の投稿も可能なので、投稿のID表示を見て、「.sc」と「.net」のいずれであるかを確認します。「.sc」となっていれば2ch.scへの投稿で、「.net」となっていれば5ch.netへの投稿です

2つになっても、影響力が弱まったというわけではありません。速やかに削除請求すべきですし、書き込み犯人を特定したい場合は発信者情報開示請求を行う必要があるのは、これまでと同じです。

削除請求を行う場合には特に気にする必要はないのですが、発信者情報開示請求を行う際には、どちらへの投稿であるかを区別し、どちらに請求するかを判断せねばなりません。これらの区別や経緯等に関しては下記記事にて詳細に解説しています。

削除を依頼する

5ちゃんねるの場合には、メールによる削除要請をします。基準を満たせば、メールによる依頼で削除してくれることになっていますが、実際にはメールで削除依頼してもスムーズに削除されることは稀です。

2ちゃんねるの場合には「削除依頼スレッド」を使って管理人に削除依頼する方法がありますが、削除依頼スレッドを利用すると、その内容が「公開」されてしまいます。

削除依頼スレッドは公開されているため、削除申請していることが第三者に広く知られてしまい、かえって世間の関心を集めることになり、被害が拡大しかねません。

しかも、削除が認められることはほとんどありません。破産者情報の場合、特に、この方法は避けるべきでしょう。

仮処分申請をする

メール等を利用して依頼しても削除してもらえない場合には、裁判所に仮処分を申請することになります。

仮処分申請の方法、手順については、当サイトの別記事をご参照ください。

発信者情報の開示請求訴訟を起こす

さらに、書き込みを行った犯人の特定を求める場合は、発信者情報開示請求という手続を用います。書き込みを行った犯人を特定する手続です。

発信者情報開示請求の方法、手順については、当サイトの別記事を、ご参照ください。

訴えが認められれば、裁判所から経由プロバイダに対し、記事投稿の際に利用された契約者の氏名、住所、メールアドレス等を開示することを命じる内容の判決が出されます。

発信者情報が開示され、発信者が特定されたら、「今後、このような投稿を行わないと誓約させる」「損害賠償を請求する」「刑事告訴をする」といった対処方法を選択し、実行することができます。

まとめ:ネット上の破産情報削除は弁護士に相談しよう

破産者マップの個人情報が、2ちゃんねるや5ちゃんねるに書き込まれた場合、これは名誉権侵害やプライバシー権侵害に当たる可能性があり、当該投稿は削除できる可能性があります。

モノリス法律事務所は、IT、特にインターネットと法律の両面に高い専門性を有する法律事務所です。近年、ネット上に拡散された風評被害や誹謗中傷に関する情報を看過すると深刻な被害をもたらします。

当事務所では風評被害や炎上対策を行うソリューション提供を行っておりますので、法律に関わるお悩みがありましたら当事務所にお気軽にご相談ください。

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