FAQ

コンサル志望の法学部生に法律事務所インターンはオススメ

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コンサル志望の法学部生に法律事務所インターンはオススメ

当たり前のことですが、法学部に進学したからといって、法曹を目指さなければいけないということはありません。コンサルタントは、法学部生にとっても魅力のある業界です。

ただ、コンサルタントにとって必要な素養や経験は、企業法務系の法律事務所におけるインターンでも身につけることができると思います。むしろ、法律という専門知識を大学で勉強している方にとって、「とっつきやすい」のは、法律事務所におけるコンサルタント的業務かもしれません。

コンサルタントにとっての基礎技能とは何であり、企業法務系の法律事務所はどのような仕事をしているのか、簡単に解説します。

コンサルタントにとって必要不可欠な「ロジカルシンキング」とは

コンサルタントが新卒などで必ず受ける教育に、ロジカルシンキングというものがあります。本記事はロジカルシンキングの詳細を解説する趣旨ではないので簡単に済ませますが、重要なキーワードは、ロジックツリーとMECEです。

何らかの「論点」に対応する「結論」を導く際には、その「理由」をきちんとリストアップすること、それら「理由」の間には、相互に重複がなく(Mutually Exclusive)、また、全体として漏れもない(Collectively Exhaustive)こと。言い換えれば、それらの理由はそれぞれ独立的であり、また、それらの理由が揃っている以上は疑いなくその結論が導かれるということ。

この関係性を、ツリー構造(ロジックツリー)の下で、多段的に構築するのが、ロジカルシンキングの基本です。

ロジカルシンキングと法律における「要件」

…と書くと、法学部の方は、一つ、思い浮かべるものがあるのではないでしょうか?法律における「要件」とは、正に、このMECEです。例えば、横領罪の構成要件とは、

  • それぞれの要件が満たされているかを独立的に検討せねばならず(相互に重複がない)
  • 全ての要件が満たされている場合には横領罪が成立する(全体として漏れがない)

という関係性にある、複数の「理由」に他なりません。

つまり、法学部の方は、実は、この「ロジカルシンキング」の基礎を、日々、法律の勉強を通じて学んでいる、その意味で、ロジカルシンキングの基礎を既に身につけています。

「法学部の試験」と「企業法務系の法律事務所の業務」の違い

法学部の試験とロジックツリー

ただ、法学部の試験問題は、「論点」が、類型化されています。最終的に導くべき結論は、民法であれば甲乙の法律関係、刑法であれば甲の罪責であることがほとんどで、変形的な論点に対して変形的な結論を導く、そのために変形的なロジックツリーを構築する、という場面は、あまりありません。

言い方を変えれば、皆様が行っている「答案構成」とは、「類型的な論点に対応する、類型的なロジックツリー構造の下で、目の前の問題に解答するための段落構造等を確定させる」という行為です。

…そして、実は、「裁判(のための書類作成)」という仕事は、正しく、この行為の延長線上にあります。例えば訴状とは、「訴訟物(具体的な一つの請求権)たる権利が存在する」という結論に向かう、その意味で「類型的な論点に対応する、類型的なロジックツリー構造の下にある書面」だからです(「訴訟物」といった言葉を、まだ教わっていない方もいらっしゃるとは思いますが…)。

企業法務系の法律事務所の業務とロジックツリー

企業法務系の法律事務所は、「甲乙の法律関係」や「甲の罪責」(や「訴訟物の存在」)だけでなく、様々なパターンの「論点」に、法律の知識を使いながら回答するという業務を、日常的に手がけています。

例えば、横領罪に関して、社内で横領行為が発生しているのではないかと疑う企業がクライアントであれば、そのクライアントへの報告書に記載すべきことは、単に「横領罪は成立しない」だけではなく、「今後何があったら・どのような事実が新たに発覚したら、横領罪と言えるのか」であるべきでしょう。

また、場合によっては、例えば、「社内で慢性的に行われている『不正行為』を『横領罪』として刑事事件化するためには、まず、社内の規則をこのように変更する必要がある」というのが、「結論」になるのかもしれません。そして、その結論を説得的に導くためのロジックツリーの構築が必要、なのかもしれません。

…なお、「横領罪は成立しない」の直後に、単に「なので規則をこう変更すべき」とだけ記載するのでは、「他にも取り得る手段・選択肢はあるのでは?」という疑問を排除できません。それは、「規則をこう変更すべき」が、論理的に導かれていない結論だからです。その結論は(も)、論理的に、すなわち、ロジックツリーの下で、導かれていなければなりません。

企業法務系法律事務所のインターン業務

法学部の試験と、企業法務系の法律事務所において作成される報告書(やクライアントへの回答)の、最大の違いは、上記です。

我々は、「甲乙の法律関係」や「甲の罪責」といった、「よくある」論点のみに対応するのではなく、クライアントニーズを正しく理解し、適切に「論点」を設定し、設定された論点との関係でロジックツリーを構築する必要がある。したがって、「よくある」論点に回答する場合とは、論理の構造、記載すべき文章の順序等が異なる可能性がある。ただし、そこで用いられる理論は「法律」に関するものであり、理論が異なることはない。早い話、「論点」が、「甲の罪責」から「今後何があったら横領罪と言えるのか」に変わったからといって、横領罪の構成要件が変わることはあり得ない。したがって、法学部(やその後の司法試験等)で学ぶ知識を、活かすことができる。

「コンサルタント」の仕事と、「企業法務系の法律事務所の仕事」は、上記のように、似ています。そして、法律を勉強している方にとって、おそらく、「とっつきやすい」のは、法律という理論と格闘することになる「企業法務系の法律事務所の仕事」だと思われます。

モノリス法律事務所のインターン制度では、特にコンサル業界に興味のある法学部生の方には、こうした「ロジックツリー」との格闘が必要となるような業務(のサポート)も、お願いするケースがあります。コンサルタントの業界に興味がある法学部生の方も、歓迎しております。

…なお、もちろん、上記のようなロジックツリーの構築は、少なくとも最初は「できない」ことが当たり前ですし、最終的にも「弁護士のサポート」といった形でお願いするタイプの業務です。「こうした業務を最初からできる能力がある人だけを募集している」という趣旨では、全くありません。

当事務所の求人情報

モノリス法律事務所は、学部生からロースクール生、司法試験受験後の方まで、広くインターンを募集しております。長期インターンシップも可能であり、有給です。ご興味ある方はお気軽にお問い合わせください。

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弁護士 河瀬 季

モノリス法律事務所 代表弁護士。元ITエンジニア。IT企業経営の経験を経て、東証プライム上場企業からシードステージのベンチャーまで、100社以上の顧問弁護士、監査役等を務め、IT・ベンチャー・インターネット・YouTube法務などを中心に手がける。

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