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法律記事MONOLITH LAW MAGAZINE

IT・ベンチャーの企業法務

システム開発における元請けと下請けの違いとメリット・デメリット

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システム開発における元請けと下請けの違いとメリット・デメリット

ビジネスを行う上で、「元請け」と「下請け」という言葉を耳にしたことがあるという人も多いと思います。ただ、よく耳にするが故に、「元請け」と「下請け」がどのような概念であるのか、また、両者にはどのような違いがあるのかについて、なんとなく理解したつもりになっているという人もいるのではないでしょうか。「元請け」と「下請け」は、ビジネス上、頻繁に耳にする概念ですので、しっかり理解していないと、思わぬところで紛争に巻き込まれることになりかねません。そこで、本記事では、システム開発におけるケースを想定し、「元請け」と「下請け」とはどのようなものなのか、両者のメリット・デメリットは何なのか及び両者の違いはどのようなものなのかについて説明をします。

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元請けについて

元請け側のメリット・デメリットとは?

まず、以下では、元請けとはどのようなものか、また、どのようなメリット・デメリットがあるかについて説明をします。

元請けとは何か

元請けとは、受託者が、委託者から直接仕事を請け負うことをいいます。元請けをする業者又は人のことを「元請業者」や「元請負人」と呼ぶことがあります。システム開発の場合を考えると、システムの開発を委託する者(委託者)から、元請業者又は元請人が、直接システム開発を請け負う場合をいいます。

元請けのメリット

それでは元請けにはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、元請けのメリットについて説明をします。

委託者に提示する金額を自由に決定できる

元請けのメリットとしては、まず、委託者に提示する金額を自由に決定することができるという点があげられます。元請けは委託者と直接契約を締結することになりますので、当然、契約の内容を自由に決定することができます。
元請けであれば、コストや利益との関係を考え、自らの希望に合った金額を委託者に提示することができます。

利益を出しやすい

次に、元請けのメリットとしては、利益を出しやすいという点があげられます。元請けが利益を増やす方法としては、主に委託者に提示する金額を高くする及びコストを抑えるという2つの方法が考えられます。元請けが、下請けを利用する場合には、下請けにかかるコストを抑えればその分利益を増やすことができます。ただ、その場合には、以下で詳しく説明をしますが、下請代金支払遅延等防止法(下請法)に違反しないように注意をする必要があります。

受注できる仕事の範囲が広い

元請けだけでは行うことができない規模の工事であっても、下請けがいることにより受注できる可能性があります。例えば、技術的に元請けだけでは困難なシステムの開発でも、下請けと協力することにより、技術的に困難な課題をクリアすることができるケースもあります。このように、下請けと協力をすることにより、受注できる仕事の範囲が広くなるという点も元請けのメリットとなります。

元請けのデメリット

元請けのデメリットとしては、負うこととなる責任の範囲が拡大する可能性があるという点があげられます。元請けが下請けと協力をして仕事を行う場合、下請けのミスにより委託者に損害が発生することもありえます。
その場合、元請けは、委託者に対し、下請けのミスなので自社に責任はないと主張することはできず、元請けも責任を負うことが通常です。このように、負うこととなる責任の範囲が拡大する可能性があるという点は元請けのデメリットといえます。そのため、元請けとしては、下請業者を慎重に選び、信頼ができる業者を探す必要があります。

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下請けについて

下請けにおけるメリット・デメリットとは?

次に、以下では、下請けとはどのようなものか、また、どのようなメリット・デメリットがあるかについて説明をします。

下請けとは何か

下請けとは、元請業者又は元請負人が、委託者から請け負った仕事の全部又は一部について、他の業者又は人に請け負わせることをいいます。下請けをする業者又は人のことを「下請業者」や「下請負人」と呼ぶことがあります。システム開発の場合を考えると、システムの開発を委託する者(委託者)から、元請業者又は元請人がシステムの開発を請け負い、元請業者又は元請人が請け負ったシステムの開発を、さらに下請業者又は下請人が請け負う場合をいいます。

下請けのメリット

下請けのメリットとしては、下請けは、元請けから仕事をもらうため、元請けとの関係が良好であれば継続的に仕事を受注できることとなり、新規顧客開拓のために営業活動を行う必要がないという点があげられます。例えば、下請けについて、技術力があるが営業力が弱いというような場合、営業力がある元請けと組めば、安定的に仕事を受注することができます。例えば、システム開発の場合で考えてみると、システム開発会社である元請けが仕事を受注すれば、それに伴い下請けであるエンジニア等にも仕事がくるという構造になります。

下請けのデメリット

一方、下請けのデメリットとしては、元請けから仕事をもらっている関係上、どうしても元請けよりも立場が弱く、元請けから業務委託料等について低い金額が提示されたり、また、値引き交渉を迫られたりする可能性があるという点があげられます。元請けとしては、1社の下請業者のみに仕事を行わせるのではなく、複数の下請業者に仕事を行わせているケースが多いです。

例えば、システム開発会社が、顧客から仕事を受注した場合、複数の下請業者に業務委託料等の見積もりを依頼し、その中から1番安く仕事を引き受けてくれる下請業者に仕事を行わせることが多いと考えられます。顧客から依頼された仕事について、高い技術力が要求される仕事であれば別ですが、一般的な技術力を有する下請業者であれば行うことができる内容の仕事であれば単純に複数の下請業者の中から1番安く仕事を行ってくれる業者に依頼することとなります。

このように、元請けが、1番安く仕事を行ってくれる下請業者に仕事を依頼することが多い以上、下請業者は元請けから仕事の依頼を得るため、低い業務委託料等で仕事を行わざるを得ない状況に陥ってしまう、また、元請けからの値引き交渉に応じざるを得ない状況に陥ってしまう可能性があります。

下請代金支払遅延等防止法(下請法)による規制

下請法により、親事業者には11項目の禁止事項が課せられています。
たとえ下請事業者の了解を得ていても、また、親事業者に違法性の意識がなくても、下請法に違反することになるので十分注意が必要です。特に買いたたきの禁止の規定(下請法第4条第1項第5号)には注意が必要です。
親事業者が発注に際して下請代金の額を決定するときに、発注した内容と同種又は類似の給付の内容(又は役務の提供)に対して通常支払われる対価に比べて著しく低い額を不当に定めることは「買いたたき」として下請法違反になります。

すなわち、元請けは、下請けに対して、下請法に抵触するような要求等を行うことは違法となります。下請法の詳細につきましては、以下の記事をお読みください。

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元請けと下請けの違い

以上、元請けと下請けについて説明を行ってきましたが、元請けと下請けの大きな違いは、仕事が誰から依頼されているかという点になります。依頼者の違いから、異なるメリット・デメリットが生じることとなります。

まとめ

以上、システム開発における元請けと下請けの違いとメリット・デメリットについて説明をしました。 「元請け」と「下請け」は、ビジネス上、耳にする機会の多い重要な概念ですが、意外によく理解していない人も多いように思います。
後々後悔しないためにも、「元請け」と「下請け」について、よく理解するようにしましょう。 「元請け」と「下請け」についての理解に不安のある方は、専門家である弁護士に相談をするようにしてください。

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