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CBD製品の広告規制とは?薬機法などとの関係を弁護士が解説

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CBD製品の広告規制とは?薬機法などとの関係を弁護士が解説

CBD(カンナビジオール)とは、いわゆる大麻草に含まれる成分の一つです。言うまでもなく、日本では大麻それ自体は大麻取締法にて違法とされていますが、この「大麻」は「ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)、並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」と定義されています(同法第1条)。そして、CBDは、大麻草の茎や種子から抽出される成分であるため、国内でも適法に販売が可能である、ということになります。

このCBDには、大麻の典型的なイメージである、多幸感などをもたらすとされているTHCと異なり、沈静化作用、ストレスの緩和作用などがあるとされています。CBDの含まれるグミや錠剤、オイルなどが、こうした作用を期待されて購入される、国内でも適法に販売できるCBD製品である、ということになります。

ただ、CBD製品は、上記のような作用や、国内で販売されるようになってからまだ日が浅いことなどもあって、インターネット上の広告の規制が、特にセンシティブな問題となりがちな製品です。広告の記載方法などによっては、薬機法違反などの問題があり得ます。

CBD製品に関する広告規制に関して、以下、解説します。

薬機法が規制対象とする「広告」とは?

薬機法などの広告規制は、医薬品的な効能効果を謳う製品に対して、厳しい規制を敷いています。

まず前提として、薬機法における医薬品等の「広告」とは、

顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること
特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
一般人が認知できる状態であること

PDF:薬事法における医薬品等の広告の該当性について

の3条件を満たすもの全てを指します。このため、CBD製品を販売するための

  • ECサイト上の記述
  • LP上の記述
  • インフルエンサーマーケティングによって行われるSNS投稿

なども、「顧客を誘引」する限り、広告には該当します。

そして実際問題として、「顧客を誘引」しない情報をウェブ上に公開する意味は基本的にないため、少なくとも特定製品に関する宣伝的投稿等は、全て「広告」には該当し、薬機法とその関連規則による規制を受けることになります。

医薬品的効果効能の記載の禁止

薬機法の定める広告規制の中で、CBD製品との関係で最も重要なのは、承認または認証を受けていない内容の効能効果を謳うことができない、というものです。

例えば、薬機法上、「医薬品」とは、「疾病の診断、治療又は予防」「身体の構造又は機能に影響を及ぼすこと」を目的とするものとされ、何らかこのような効能効果を有することの承認を受けて販売されます。効能効果を謳うことができるのは、この承認を受けた内容の範囲内に留まります。

健康食品や化粧品、嗜好品などの場合、効能効果を有することの承認を受けずに販売されていることがほとんどです。この場合、一部の許された表現を除き、効能効果を謳うことは許されません。

CBD製品も、現在、CBD製品ならではの効能効果を有することの承認を受けることができませんので、基本的に、そうした効能効果を謳うことができないということになります。

「医薬品」の定義などに関しては、下記記事にて詳細な解説を行っています。

CBD製品で許されない広告表現とは?

「身体の機能などに対して影響がある」という広告はNG

では、CBD製品が効能効果について承認を受けていないために許されない表現とは、どのようなものでしょうか。

例えば、医薬品の効能効果である

  • 何らかの病気等に対して、その治療や予防効果があると読み取れるような表現
  • 身体の機能などに対して影響があると読み取れるような表現

がNGである、ということになります。以下、具体例を示しながら解説します。

ストレス・睡眠・集中などに関する記載

CBD成分は、ストレス緩和や睡眠改善の効果が期待されていると言われています。ただ、これは、正に「CBD製品が効能効果について承認を受けていないために許されない表現」ということになります。

例えば「ストレスが多い生活を送っている方に」「寝付きが悪い方に」といった表現は、ストレスの除去や睡眠促進効果といった身体の機能などに対し影響があると読み取れるものであり、薬機法に抵触する可能性が高いと思われます。

なお、サプリメントなどに中には、ストレスの除去や睡眠促進効果の要素が含まれる健康食品として販売されている商品もありますが、これらの商品は、多くの場合、テアニンやGABA等の成分を含む機能性表示食品として販売されることで、薬機法の抵触を免れています。

こうした成分が含まれていないCBD製品について、上記のような表現を行うことはできません。

リップクリームなどの肌に関する記載

CBD成分には、ニキビや湿疹などに対する効果がある可能性があるとも言われています。

こうした、CBDを含むリップクリームについて、「肌荒れやニキビ」「肌を育てる」といった表現は、肌荒れやニキビといった肌の疾患の治療効果、または、肌質改善といった身体機能への影響があると読み取れるものであり、上記同様、薬機法に抵触する可能性が高いと思われます。

その一方、「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」といった効能がある場合、これは化粧品の効能として表記可能です。

化粧品に関する広告規制に関しては、下記記事にて詳細な解説を行っています。

その他の記載

CBD製品に関して謳われがちな効能効果は上記ですが、その他に関しては、従前、化粧品、健康食品の広告において問題とされてきたことが、ほぼそのまま適用できると思われます。CBD製品でなくとも、化粧品やサプリメント(健康食品)は、医薬品のような効能効果を謳いたくても、医薬品ではないのでそれが許されない、という規制の下で広告が行われてきた製品だからです。

サプリメント(健康食品)の広告規制に関しては、下記記事にて詳細な解説を行っています。

副作用や中毒性、安全性に関する表現の注意点

景品表示法との関係

また、CBD製品の広告の際には、薬機法だけでなく、景品表示法との関係も、注意が必要です。景品表示法は、優良誤認や誇大広告を禁止しており、明確なソースのない記載を行うことは、景品表示法違反のリスクがあります。つまり、例を挙げると、副作用、中毒性、安全性、ある著名人も利用しているといった記載について、明確なソースがあれば問題ないが、これがないのに記載を行うことは許されない、といった規制です。

例えば、副作用や中毒性、安全性に関して、WHOのレポートは

非医療的使用、乱用及び依存
現在のところ、純 CBD 使用に関連した乱用あるいは依存の症例報告はない。

PDF:カンナビジオール(CBD)事前審査報告書

という記載を行っていますが、これをもって、「中毒性・依存性が全くない」という記載を行うことには、リスクが全くないとは言えないと思われます。「ほとんどない」「安全性が高い」等とした方が、安全な記載であると言えるでしょう。

その他、誇大広告関連の広告規制に関しては、下記記事にて詳細な解説を行っています。

「副作用」の記載と薬機法との関係

なお、そもそも、「副作用」という概念は、「作用」があることを前提にしているものです。このため、「副作用がない」といった表現を行ってしまうと、同じページ内に書いてある何らかの記載が「作用」である、つまり未承認の効能効果を謳うものであると読み取られやすくなってしまう、という問題があります。

「CBD情報サイト」と「特定の商品の広告」の違い

なお、ここまで「NG」と書いてきたような記載、例えば「CBDには安眠効果がある(可能性がある)」といった記載は、インターネット上には、多数散見されています。こうした記載がインターネット上に存在することをもって、「商品広告に同じような表現を行っても大丈夫だ」と考えてしまいがちなのですが、この点については、注意が必要です。

最初に書いたとおり、「広告」とは、「商品名が明らかにされている」ものです。つまり、特定商品との結びつきがない、純粋にCBD成分の有用性や可能性などを記載するウェブサイトには、薬機法の広告規制は、少なくとも直接的には及びません

  • 純粋にCBD成分の有用性や可能性などを記載するウェブサイトなど
  • 特定のCBD製品の広告を行うためのウェブサイトやLP、SNS投稿など

は、そもそも、適用される法律の範囲が異なる訳です。したがって、前者であれば許される表現が、後者の場合は許されない、ということは、当然にあり得ます。

まとめ

CBD製品は、まだ登場してから日が浅く、実際問題としてCBD商品ならではの「効能」を期待して購入する人がいるとしても、承認を受けた効能ではない以上、その「効能」を謳うことは許されないという、繊細な問題を孕む商品です。その商品の販売や広告の際には、薬機法や景品表示法等に関する知識とノウハウを有する法律事務所のサポートを受ける方が望ましいと言えるでしょう。

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